音色の記憶

詩人だからな

時が止まる

味わっているその時が

等間隔にさせるのだ

喧噪の中

平等を知る

音を白く

色を高く

偉ぶるな

尊きを見よ

よく泳げ

美しくあるように

歩きながらでも聞き分ける

寝転がりながら嗅いでいた

どんな光でも夜のようになる

流れ星の輝くように

詩人だから

その時をいつまでも覚えていられる

このようにいつでも

時間はかかっても永遠という

けがれを祓う

喪が明ける

解放の日

忌まわしいアイコンも

澄みきらす

一年が過ぎ

幸せか

とうとう流れる

雪も降りつもる

春を浮かべ

夏を走り

少しずつ覚悟を決めてきた

使えなくなってた言葉達

陽ざし

弓のしなる木

笑みを求め

日常を取り戻す

日常を取り戻したい

あらゆる単語を平らかに祝いたい

新旧を忘れ

みのりの景色を描くために

運命

なんかおかしかないですか
なにもかわりがないなんて
あいかわらずで怒ってる
意味などなかったわけだから
てことはこれからなにがあっても
誰もかわりはしないって
精一杯の証明をして
復讐しようというわけだ

顔だらけのその心
永遠に刻む清新なビート
行方は知れず
夜中に黒く花壇を飾る
かつて憧れていた方へ
進んだ

よくもわるくも僕は僕
よくもわるくも君は君
ずっとかわらず歩きつづける
平行線ならまだいいが
交差したあとはさようなら

遠のいていくね
頑固なので

柔軟なので

りくつにあわないことはない
そのものだからそのままでいる
ただそれだけで
おかしくもない
ただそれだけで
僕の人生だけが変わった
もしくは誰もしらないところで
本人にしかわからないところで
なにかがかわってしまっているため
なにもかわらず生きることを強いられているのかもしれない……

呪いに満ちた日々を今日も過ごしている
祈れば祈るほどそれはあるとき
呪いにかわるのかもしれない
だから僕は今日を祈る
それしかできないでいる

幻滅

殺したかったり

死にたかったり

黄金きらきら

よみがえる



明日も知らない今晩は

憎くて、憎くて、仕方ない

殺したかったり

死にたかったり

ゆっくりできないんです



猜疑心の塊でもう

どんな人でも許せなくって

嫌なことをされるより前に

死んでしまおうとよく思います



悪のように栄えやすく

正義はとても飲みやすく

辻褄主義のあなただったら

そうなるんだと思いますから



いつまでも変わらず古い文学の

匂いを嗅いで生きてます



犬も食わない戦争を

毎日のように繰り返し

心のなかで果てし無く

死にたかったり

殺したかったりしています

心のなかでただ一人

笑顔を忘れていられます



おとしもの

見つけるために振り返り

元来た道を辿っているうち

切りつけられる夜がある



輝く夜に血しぶきが舞う

月の狂気は相変わらずで

酒のように怖い

ごらんなさい



闇の深さ



しばしば思い出すでしょう

若かりし日の死にたかったこと

突然に湧く殺意のことなど

ノートを埋めた呪いの言葉も

すべて青春は排気ガス

この世の中に満ちている

変わりあるある

変わらない 変わらない?

変わりたい 変わってしまう

変わるから 変わりたくない

変われない 変わっていく

変わろうか 怖いからテレビでも見るかな

怖いなら こちらへおいで

変わらないように 変えてあげましょう

スナップショットで切り取りましょう

人間のようなロボットのような人形のような女の子

冷凍保存で未来へ飛んで

ハートの熱で溶かして起きて

大暴れ 知らないところで

軽い気持ちで 舞いあがれ

変わらない 変わらない

変わりたい 変わってしまえ

変わるから 変わりたくない

変われない 変わっていけ

変わろうよ もう二度と会うこともないから

自由に空を飛べる

自由にものを食べられる

自由に笑ったり泣いたり

自由に遊んでる 今日も明日も2年後も

怖いでしょ 当たり前だよ

変わらないように 変えてきたから

スナップショットで切り取りましょう

まだまだ続けるたのしく続ける永遠に続く女の子

もう二度と会うこともないから

怖いからテレビでも見るかな

踊る人たちは次から次へ

踊る人たちは次から次へ

変わらない 変わらない!

変わりたい 変わってしまった

変わるから 変わりたくない

変われない 変わってきた

変わっても 元に戻ればそれでいいんだけど

 

雪が溶けてる

陽が出てる

川が流れて魚が見えて

きらめく水面にあめんぼがじぐざぐ

真贋

遠くセックス

揺れて漫画

肉体と想像力の距離

横山三国志の冷静

空の無条件な輝き

一歩一歩の尊さよ

通路がときおり果てしなく見える

そのビームが繋がっているのです

幾つもの扉

開いたものもそうでないものも

等しいなら綺麗に

新しくなるそう決まってる

だから

木漏れ日の芸術性を

酒に揺れる頭に乗せて

珍奇なような驚きを

明日への生きる糧にしている

開き

光る

横一列の明らかな

決まりには

どうしても従おう

いつまでそうなのか約束のない

世界を

思い出して

弾けるようなイメージの

わくわくする未知に祈り賭ける

それも

いいけど

想像力を広げていくと

見えないものがちゃんと見えた

それが過去なのか

これからなのか

わからないままで

静かな検討の夜を過ごしていこう

慎重だけど浮き足立って

それでもくちびる噛み締めていた

安定の色を

確定の距離を

一つの言葉ではとても表しきれないような複雑な軌跡を

描いて

また

戻ってくる

必ずここから教科書は広げられる

受験

そうおっしゃるならそうなんでしょうが

僕はあしたも学校だから

ちょっと黙っててくんないか

あすもあさっても勉強だから

どうか許していただきたい

もう眠らなきゃ授業で眠い

いい大学に入るから

すべて勘弁してください

もしも落ちても怒らないでね

受験受験とうるさいよ

僕はそうとうまいってる

せっかく楽しくやっているのに

いい大学に入ります

それですべてはよいのでしょう

入れる自信はぜんぜんないけど

そう言うほかにはないんでしょ

先生はなぜか遊んでくれない

こんなにいいやつだってのに

どうにか僕らは仲良くなりたい

偏差値なんか気にせずに

今夜も静かな時間が終わる

そろそろすずめがないている

何も手につかずこんなんなって

僕の人生どうなんの

いいから僕のことほっといて

さんざん勉強してるから

これ以上なにを求めるの

ぼくは大学はいります

いい大学にはいりますから

それだけ約束しますから

なんの自信もないけどさ

とくに実績ないからさ

模試とか受けなきゃいけなくて

だいぶ疲れた

ヘビーだよ

安心なんて売ってないけど

なんでも買えるのが安心なんで

なんでも買えるまで不安なんでしょ

浴びて待つ

太陽の陽射しを浴びて

しあわせな暖かさ

彼女の機嫌を伺いながら

散歩に出かけてみるか

どこを歩いても

なにを見かけても

なんて言おうか迷ってる

法律と条例を頭の中で

ずっとずっと復習する

明日への道

踏み外さないように

太陽の陽射しを浴びて

目を細めている

そこには特になにもなくても

未来はそこにしかないのだから

ゆっくり歩いても

少しは急いでも

変わらない笑顔と泣き顔と

冷たい言葉

背中がひやりと絶望してる

さよなら僕の思春期の頃

欲張らずに

なにを捨てても

代わりのものを神に祈るから

終わらない

人生のように

この気持ちどこに行きますか

太陽の陽射しを浴びて

好きなように

歩いたとしても

わからない

この匂い

なんと呼べばいい

素手で捕まる蝶はいないさ

泣き止んだ蝉を潰さないように

そっと素早く包み込むように

奪い去るように

捨ててしまうかのように

掴み取るだけ

蝶になれないで

泣きつかれたら

ただその時を

待つだけ

太陽の陽射しを浴びて

干からびた身体を

湿らせてくれる

何かを待っている

諦めたのでもなくて

はじめから何もなかった

望みなどなく

ひたすらに泣いていた

そしてあなたを求めてた

それだけのことだった

たとえ死んでも

生き続けても

変わることないものがあるなら

それを信じてる

もしも無いなら

なんて思うたび

忘れかけていた

涙を思い出している

もしも会えなかったら

なんて思うたび

忘れかけていた

涙を流してる

太陽の陽射しを浴びて

涙は乾くから

待つことを

諦めないでいる

ただそれだけの

生き方を選ぶのを

ためらいながらも

考え始めている

ためらいながらも

待つことに

憧れてる

いたむ

数々のトラウマ

どんなに小さくても

花が咲いてる

雪道の涙

風に流される背中と

やたら塩辛い食事

教室の色も

彼女のあの時の嫌な笑顔も

大きく響くあの曲も

どんなに些細なことであれ

重たく苦しく咲き誇る

薄汚い

美談も何もかも

優等生気味だ

逐一痛む

毎日の環境学

何があったっていいじゃない

おれの本音じゃないけれど

太古から続く決まりに乗って

天使や宝も堕落して飛んだ

身体の中を酒が巡って

いずれ流れていくように

涙も谷底へ落ちていく

そして世界を循環するんだ

美しい彼女の中にも

たくさんのがらくたが詰まってる

目を背けすぎて腐蝕してる

おれは彼女の首を撫でる

命を愛する

心の中の宗教が疼く

それぞれの教えが融け合って

結晶となり

それが世間の中を泳ぐ

おれたちは布団にくるまって

互いをあたためあっているだけ

朝が来るたび起きるだけ

昔から決まっていることだ

それを嫌がるわけにはいかない

堕落はこれからもするだろう

不純な秘密もあるだろう

重ねた手の祈る先が見えない

心の中に宗教を仕舞う

腐りきるまであたため続ける

胸焼けがするまで

凍らせて止めるよりも

熟しきらせて終わらせることを選ぶ

それは土に還る

新たな種をも産んで死ぬ

自然の中に真理はあると

それだけを信じて生きていく

涙がいくら流れても

飲んでくれるならそれでいい

自伝

自分が

何者なのかを探していた

迷うたび愛したり

愛されたりしてた

夜の河原の

ベンチに座って

考えることもないのに

格好つけてた

何もわからないから

すべてを知ろうとしてきた

何か一つでもはじめからわかることが

あったらよかったな

すべてを信じてしまうから

傷ついていた

すべてを疑う事を

憧れにしてきた

河原の丸い小石を

意味あるものとして

少しでも何かそこから

感じようとしてた

集合住宅の一室に生まれ

毎日学校と川を見下ろして暮らした

寝転んで見上げる家は

あまりに大きく

堤防を走る道路が

世界を分けていた

向こう岸に見える家は

こちら側とは違って

何か違って輝きもせず

静かに生きていた

何も知らないから

草花も虫も鳥も見落として

ただ何かを求めてずっと

川にいることを愛してた

そして文化と出会って

新しいことを知れば知るほど

古いこととわかった

それが楽しかっただけ

新しいことを知れば知るほど

古いこととわかって

古いことを知れば知るほど

涙があふれた

遠く遠くベランダから見える

夜の光るテレビ塔

北には川があり山が並び

南にはビルが建っていた

そして僕が選べたのは

あの川の流れる先だけだった

赤い三階橋

水色の天神橋

緑の矢田橋

そのずっと先の千代田橋

さらにその先へ流れていって

家族と離れて

身軽になって

ついに自分を見失った

生きるために封じ込めたものが腐っていくのを感じる

泣かないように噛みしめた奥歯が欠けていくように

太陽の光をかき集め

星に光を返してやりたい

そう願うたび涙を流し

負債の精算に充てていた

さわやかな笑顔の嘘を暴き

死んで穏やかに終わらせたい

泣きもせず一日ゆるやかに

消えてしまえと祈り続けた

今でも祈り続けながら

愛したり愛されたりしている

もう一歩で目の前が開く

祈りすぎて痛んだ膝を慰めてくれる君たちがいる

神様を信じていないから

祈ることにすがりついた

神様を信じはじめれば

生きようという気にもなるのに

本当に何かに祈るなら

膝を痛めるような愚かな格好はしない

ベンチに寝ている方がましだろう

時には誰かと話をしながら

今でも会えば川に行く友達がいる

それはとっても幸せなことだ

僕らは河原に寝転がり

互いに妻子の話をするのだ

自分が何者なのかは未だにわからない

何一つもわからない

達成はない

しかし

ここで「しかし」という一言を入れることが

もう少しだけ練習したらできそうだ

その練習の一環として

長い自伝を書いている

書き継ぎ書き重ね

真っ黒になるまで書いてみる

大衆音楽

いつでも僕は思い出せる

街の歌とか知ってる人のこと

会ったことないあの人のこと

それが世の中にあって

しばらく進んで

行き止まりの前に浮かび上がる

泡のパズル

組み合わせて

みんな笑いながら生きたり泣いたり

無くしても忘れて行く

そのために僕はいつでも

思い出せるあの街の歌

一筋の光

そりゃそうだ変わらないよ

永遠はここにあった

あまりにも悲しいが

繰り返しと更新の中を

透明なまま歩き続ける

君はまだ独り

きりのない人生と割り切って

いつかのうたかたに消えようと

そのためにいつも死を想う

そのままでふらりと

十代の幻想を笑いながら温め続ける

君はもう引き返せない

さあ僕は行くよ

どこまでも歩いて行くよ

回転と着替えにはもう飽きた

暗い夜のような髪色で

あなたと同じこの色で

光のように進んで行くよ

心中

夜の世界は目が見えない

胸が塞いできつくなる

青々とした嘘だらけ

行く先々には因果応報

生存報告なみなみならない

気まぐれに生きる彼らの極意

小さな幸福の芽つみたがる

温室育ちのお人形

期待に添えない新しさ

認められない他人の意見

存在理由なみなみならない

そんな自分を描いて泣いて

空きっ腹には恐怖心

突きつけられた満月に

どこへ行くとも言わないで

闇に紛れて黙って行った

夜の世界はこんなに広くて

乾いて

古臭くって

なま臭い

新聞に出てた六時のニュース

いっさい笑えぬおどけた演技

明日に期待をかけるほか

何もない何もない一切が空

ゆっくりとでも忘れて行くよ

余計な傷は残っても

堅苦しくない未来を築く

ただそのために人はいる

生き急ぐより今は死のう

過去を見るなら謝るよ

合同演習続けて行くから

だんだんダンスもお手の物

全国大会なんだって

深呼吸してラジオ体操

やわらかな午後を迎えるために

午前十時は大切に