何があったっていいじゃない
おれの本音じゃないけれど
太古から続く決まりに乗って
天使や宝も堕落して飛んだ
身体の中を酒が巡って
いずれ流れていくように
涙も谷底へ落ちていく
そして世界を循環するんだ
美しい彼女の中にも
たくさんのがらくたが詰まってる
目を背けすぎて腐蝕してる
おれは彼女の首を撫でる
命を愛する
心の中の宗教が疼く
それぞれの教えが融け合って
結晶となり
それが世間の中を泳ぐ
おれたちは布団にくるまって
互いをあたためあっているだけ
朝が来るたび起きるだけ
昔から決まっていることだ
それを嫌がるわけにはいかない
堕落はこれからもするだろう
不純な秘密もあるだろう
重ねた手の祈る先が見えない
心の中に宗教を仕舞う
腐りきるまであたため続ける
胸焼けがするまで
凍らせて止めるよりも
熟しきらせて終わらせることを選ぶ
それは土に還る
新たな種をも産んで死ぬ
自然の中に真理はあると
それだけを信じて生きていく
涙がいくら流れても
飲んでくれるならそれでいい