2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧
言葉を奪われたら散文家は仕舞いだ しかし詩人は生き延びる 意味を失ってもその色が 匂いが 目方が 光沢が 手触りが あまさずに まずは血となり 肉となり そこから吐かれる呼気となり 必ず再びよみがえる 優しさも あの日の光も そのような祈りも 息づいて生…
ゆかいな雪のふる夜の ゆらゆら揺れる夢の夕日 ゆるやかな行方を目で追って あらゆる由来を許してみよう ああ悠々自適 優雅な遊戯 唯一無二のゆるぎない余生 ゆっくりゆったり手を繋ぎ ゆびとゆびとで結い上げるのよ ゆたかに そう、ゆたかに ところであの思…
抜ける青空と肌の色 ぐるぐる巻いた濃い茶の髪が 鳥の巣になってた 膨大な記憶 早幾年が過ぎたから すらりと君は昔に戻った 僕の知らない昔に戻って 変わらず煙草をすっと咥えて 柔らかな微笑みを佇んでいた 何年前にはそうだったのか 一年前なら別人だった…
夜霧を結ぶ白い糸 分散の果てに浮かび上がる 集まるでもなく固まって 星座のように浮かび上がる 生理的な段階にかなり近い 思想的な嫌悪も やがて慣れゆくものだろう まず何よりもリズム 無邪気に川を渡るように歩いた それも既に一切の価値を失って 無意味…
あなたが好きだよ 星が降るくらい 今日もあしたも人生は ぐるぐる迷う道知らずだね 行方をくらました月影を探し 散歩ともいえぬ散歩を続けて いつの間にか立ち止まり 座って 空を眺めることもなくなったんだね あなたが好きだよ 星が降るくらい それでも恐ろ…
僕は全て エネルギーの全て 雪に溶ける熱のように 日に落ちる影のように 激しく悲しみ 泣き叫びながら 静かに川の 流れを見つめる 爆発的な冷たい熱です 愛する人の歩く姿を 見ることもなく死ぬのです しかばねを操る 嘘つきの奇術師のように 僕は愛するあな…