回転の叙情

自殺のため 自殺のため

呪われていてそう言い聞かす

肌の匂いを不意に嗅ぐ時

血並みに濃い君を撫でたくなるな

 

金色の露 銀色の艶

まろやかなしたたり

 

冷たく白いしなやかな肉体

手触りばかり懐かしがるが

温度のことは忘れきっている

まるで本当に凍りついているかのように

 

愛は火のように熱く

唇は酒のように揮発する

しかし情事の記憶は彼方

我々はどこにいるのだろうか

 

声はすべて偽物だったと見える

耳を舐めて伝わったのは寒さだけ

幻想も目を開ければ現実になる

可哀想に もう何も信じてなんてないのに

見えるから熱いから感じるからと

まだその泥にこだわっているのか

 

知っている 終わったのだろう

新しい身体を手に入れてしまった

それでずっと口をつぐみ涙ぐんでいる

合図だけを待って

何度でも誰かに連れ去られるために

僕は決して傷ついたりはしない