ワインの血割り

不安ピーク ドーザーで越え 悟りに澄ます これを保つため 酔い続け 酒 クスリ 虚栄 肌に大人が結露する アーマー並みに固着する 心の内に仏を眺め 手のひらを胸の前に合わす 光り輝くまで 待つ 待つ 待つ 待って 待って 待って そのまま氷漬け 浮いて飛ぶ 抉…

さみしさとやさしさ

歩くだけでこぼれるので拾い回る可哀想な奴 拾い回って歩いてはまたこぼれている そのさみしさを見て何も言えなくなる優しい人たち さみしさとやさしさが下手すぎる いたたまれなくなって僕 カロリーメイト吸いに出る 可哀想な奴 可哀想な奴 誰でもいいから…

少年時代

忘れないです 見送った 五月の夏の終わりです 白墨の指に残った違和感と 咳き込む乗客にぼくは困ります なぜなのでしょう 過ぎゆくものです 縦長の積み木を二つ その上に三角を一つ おうちの中にぼくはおります その中にうずくまっています いついかなる時も…

旅情

かつて、かつて 路傍の憂い、 愛の飛ぶところ 旅をすべしや すまじや波瀾 急流に呑まれ白痴となって 陽射しの陰で眠るころ えい音の下 狩衣を濡らすチイと風 松の葉の先に雫がひとつ 恋を忘れて青空へ 蜜柑の香りがのぼり立つ ひらけた山道 あの風景が何枚も…

半身

この子は僕の半分で 君が痛けりゃ僕も痛い だがそうでこそ遊ばせて 痛みを知らなきゃまたいけない ともに歩んでいくがゆえ いちにいちにで別々に 寝るときはひとつ ああこれから僕もそこへゆこう 君の待つ 明日はどちらが先に起きても いちにいちにで たまに…

なんでもしあわせ

ちょっとしてるよ ちょっとだけだよ それもわかるよ だからごめんね だけど すごく楽しくなかよしで いつまでもこう 未完成のままでいいかもしんない お部屋は片付けるけどね 明日のことは明日かんがえる 明日のことを今日かんがえる どちらもたのしい さよ…

不気味な親子

不気味な親子 安いコーヒー スマホでゲームしながらタバコ吸う ちりちり髪でアンバランスな洒落た服 たった一人で空気を汚す 若い男が中央の席に座っている 一つもいいところがない 強いて言うなら安いだけ 近所のじいさんたちがずっと話している サラリーマ…

雑観

君のこと 愛しているよ 愛し終わって 思ったことを 今全部 ここに書いとく ここまでは前に書いたメモ すずねちゃん 生意気で 卒業したら許さない 中退してなきゃ永遠にここに グッドラック!だねえ 裂けろ 映れ 相方も根拠なく 果てろ 散って死ね 薄く浅いプ…

君の誕生日

木漏れ日が雨ばしらのように スカイツリーと並んで光る ここは魔女の店 パッとコーヒーが出てくる おかわりもパッと出てくる さんまのランチはごはんみそしる すいとん それに副菜が13品 扉の向こうで小人か妖精がせっせとつくっているのか 指先からパッと出…

恋は瞬間

恋は瞬間 愛は場面 春は局面 パラダイス 目の前を過ぎる瞬間の コマひとつだけ落ちてあり 立ち上がり歩む液体のような あなたのことを一瞬に好き 恋はたちのぼる 頬を血が染める 君は遮断 それよ残像 恋にあらず お前の心を占めるのは たんに残影 お前の心に…

たとえば僕が春になる

ストーリー落ちていく ふわりと 地に着かず 跳ねる 鹿が歩いているところを想像する ゆっくりとすればそれで十分に幸福である 僕が春になることを試す じっくりと心で思う 朝が来たらやってみようと思う 船が進むとする 小舟だとする そこに僕がいるとする …

自粛

続け続け 控えい 控えおろう! 粛々と生きよ お天道様のあるように 生まれながらにお上はありて 圧政悪政ありますが 私の上にあるものと 私の下にあるものは 私にゃどうにもできません 天と土とにゃ逆らえぬ はずが どうしたことか? 現代の思い上がった人類…

ヒイラ木

ヒイラギ ヒイラギ スナックの名前 今はもうなし 新しくもできはしない ヒイラギは散る 花梨 まだある喫茶店 甘く苦いはずの ただ古ぼけた煙草の匂い いずれ落ちて土となる 愛とともに花梨 ヒイラギ 冬にある歌 他の季節には聞こえなくなる ただ耳を澄ませれ…

散歩

小さくて素敵な家だ 細く黒ずみ 二階の窓に真っ白なレースの 飾りがどうにか掛けてある ここを覚えた 全てが僕のものになる 賑やかに透けた解放書店 毛布をかけた桜橋 陽の当たる身体 底に沈んで土を踏む 老人老人 行く先に常に 少年、少年 一輪車の少女がU…

腹立つ殺すぶっ殺す殺す はらたつころすぶっころすころす 腹立つ殺すぶっ殺す殺す はらたつ ころす 〜間奏〜 腹立つ(略) 殺すより早く 諦めるより遅く 殺すより速く 諦めるより遅く 殺す より早く 諦める より遅く 殺す より速く 諦める より遅く (繰り返…

東京(初)

思い出す事 核心に触れ 東京の意味を知る 甘いきらめきは歯を溶かす 巡り逢いに依存する 誰も叱ってはくれない日々よ 頭を撫でられ 慰められて 傷つけられていなくなる 変わり続ける濃度と形状 自由に泳げる君だけが テレビの中にいられるんだね 終わらない…

(日記)

(ぼうやの聞き書き)

時間が色をもっていて それが少し透けてるの 水色の透けたやつとか セピア色の透けたやつとかの感じで だからグラスと一緒なんだな なんか神様がいるの 雰囲気の色とかっていうよりも 時間の色 積み重なりの色 教会に近い お寺とかじゃなくて光の感じ 光が透…

ウエンディ

ウエンディ 教えてあげよう なぜ君のお母さんが 僕に嫌われてしまったか

子供

ぼく子供だったら泣いている 子供なんだから泣いていいよね 雪解け水を飲んでもいいね 上から下まですうっと落ちる ちょっとの大きな音だけで ぼくは怖くて泣いていいよね 金切り声が聞こえたら 怯えて泣いて眠っていいよね いなくなる前に泣いてみる なくな…

大学は終わった

終わったんだ もう来ない 少女は過ぎ去った 少年はいつまでもそこにいて それで問題ないそうだ わたしはここには戻らない 愛していたって 証拠も残さず きれいさっぱり消えて無くなる もちろんこの言葉たちは残りますよ きっと永遠にね だけどそんなの何にも…

ざつぐさ野郎の微笑ま珍事

スローボール落ちる直前 全力スイングかち割る氷 バックスクリーン魂はねかえる キラキラの硝子ショー みぞれ雪の結婚式 ハイハイ光の速さで 小学校苦しんでるうちに 工場で指切って痛い 孫の顔いくつか うつる棺桶そして墓石 幸福論唱え終わらん うちに世界…

別れる

もうおしまい 切り替わらない 重くなる宇宙 ただひたすらに濃くなっていく 置いていく 雲の向こうの星空とともに 寸胴の底の底 暗闇を敷き詰める 晴れやかに僕は走るのである 軽快に脚を回し車は回る 誰もいやしない 混沌橋落ちて跳ねる 決意表明と思って結…

めぐりを待つ

遠い遠い 女の子 大好きな友達に囲まれて 花々しくて知らなくて 新しすぎて変わってはしゃぐ もう誰のことも信じるのやめて 目の前のことだけ信じはじめて 舞うように飛ぶように 溌剌と世界を呼び出して遊ぶ あの子のことが好きだった ただ一つだけ気になっ…

解題 魔女

僕が詩の中でしたくないと思っているのは、暗号化。本当に言いたいこと、意味を詩にぼかすこと。言いたいけど隠したい、そのどちらの欲求をも叶えるために、詩の形式を利用すること。そういうのはできるだけ避けてやってきた。意味の拒絶。そのあまりまった…

ゆこう

ゆかいな雪のふる夜にゆらゆら揺れる夢の夕日のゆるやかな行方あらゆる由来 悠々自適 優雅に遊戯唯一無二のゆるぎない余生ゆっくりゆったり手を繋ぎゆびとゆびとで結い上げるのよ ゆたかにゆたかに ところであの思い出の遊園地は今やUFOのひみつきち ゆかい…

素の肖像

全然僕と関係がない ただの君 の写真 全然君は 言い訳をしない 紫の空の花 抱いて撮って 眼を開けて パズルのような わからない顔 愛されるために生まれてきている そのまますべてを収めた写真 街を歩く人と話すいつもの姿とまったく違う 触れられないほどい…

めまいの壁に

大きなこと 僕のこと わからないもの だれかの部屋の壁に貼られているもの 未知のこと 開かれる桃色の扉 その向こう 褐色の扉 その向こうに 四角く囲まれた空間 そびえるものたち 空気と時間 毎日の服を 纏い続けてきたその証拠 匂いや 舌に来る味 二の腕に…

合流

ぎゅっとしてる 怖がらないで 交換を続けてねえ とじてもひらいても闇なのは 泳いでるからさあ 落ち合おう 心のなかで ぐるぐるしてた先にいる どんなこと考えてたって最後 混じっているなら 幸福ってものだ 計算は合う 頬は寄せられる 花は咲く 草は育つ 景…

素敵な桜

月が好きです 星が好きです 雪が好きです 桜が好きです 女の子の名前にも多い 花の名前はありふれてきた ずっとまわりに囲まれてきた 歩きながら光をまとって 目を瞑って想像したい 惜しいことをしたねあと数時間 散りぎわ虚しく勝手に泣いた その色を僕も見…