凡庸と孤独

人間が! お前は終わった

流行り 常識 反吐が出るのだが?

逃げろ逃げろ

遠くへ行け 誰もいないところへ

目の前にある全てのモノを

化けモノと思え!

 

既知のものを愛すな

未知のものを未知というだけで

憧れるな 馬鹿か?

みんなが好きなものを自動的に嫌いになれ

そのように思える「みんな」を描け

楽器を捨てろ

イヤホンを外せ

口で咥えて

ハンマーでホームラン打て

 

詩にならない文字を書くな

読むな

勘違いするな

お前の持っている本の中のそれは

一切詩などではない

お前の内から湧き出てくるものそれ以外

何一つ詩ではない

それと共鳴した時にのみ

本の中身が詩となるだけだ

 

凡庸の海に抱かれ心地良かろう

足掻いているつもりでもあろう

助けてと叫ぶのが気持ちよかろう

涙の味が乾き切る前に

死に背を向けろ

そこに本来の絶望がある

 

春 四月 新たなる陽射しに

古き悪しきものたちは陰となる

そこから毒矢で狙ってくる

笑顔の下の急所を貫く

二度と抜けない常識の楔!

 

かっこいいもの

一見まとまっているもの

謎かけのようにスッキリとするもの

すべては嘘だ

本物がそんなに予定調和なはずあるか

逃げろ逃げろ

遠くへ行け より遠くへ

そこにいてはいけない

ここだ と思ったそこが常に墓場

あいつらはいつも狙っている

必ず下から放たれる

足元を見ろ 空ばかり見るな

美しいものをすべて疑え

何もかも消えた後に残るものに目を凝らせ

誰も見ていないものを

誰もまだ知らないものを

ただそれだけを追って孤独になれ

それが辛いならこれまでの全てを忘れて

ただ漂っていればいい

別れを告げろ

若き日の君に

きらめき

輝くのは

寝ていないから

泥の乾いた

最高の天気

 

家に入れば終わってしまう

ふるさとの旅

惜しんで眺める矢田川

なんと緑にまばゆいことか

 

動くなよ

流れに逆らう

青いジョギング

邪魔すぎるしかし

 

近景の

帽子かぶった老夫婦の

速度とまったく同じであった

 

枯れた堤防と

生い茂る川辺と

 

すべて止まれと願うのは卑しい

そこに一瞬があるだけだ

祝え

感謝を

じっくりと這う自動車たちにも

守山を飛ぶヘリコプターにも

小牧からゆく航空機にも

遠くに見える岐阜の山にも

性の遅れ

性的女児

非性的女児

知らん花見

退屈の中

 

なわとびと

キックボードと

大縄跳びと

のこぎりと

 

知性の多寡

アルコールでならせ

合意に充てよ

小学校の覗きやすいプール

 

空は広がり

30年やそこら変わらない風景

たびたびの更新

赤ん坊のまま

脳と足だけ

二日酔いの中

錆びて麻痺して動き続ける

鬱メートル

クラっとする交通地獄

年度末工事多すぎ

鉄骨見上げた空は曇り

すべては僕のためのもの

両手ぶらりで受け止めとる

 

気が進まない

理由はない

生理的に無理

優しくできるがしたくない

頰撃つ間合いに誰もない

 

地獄さながらの雨模様

みなさまもそう思うのだろう

すべてのものが僕に冷たい

あたたかいものなど何もない

助けてくれ

死がここに

死がここに

死がここに

明かりがつかないぼんぼりに

閉じ込められて破れない

怖い

 

不透明さも暗闇も

年重ねればありきたり

何をいまさら恐れるか

頭上の石のあざ笑う

 

足が切断されるような

内臓を抜かれるような

舌がなくなるような

指が動かなくなるような

 

虚ろめく

虚ろめたい

虚ろいやすい

俺らの世界

 

鼻が曲がるほどの悪臭に

足が曲がるほどの悪路に

腰が曲がるほどに悪しき

上半身と下半身

 

死がここに

死がここに

死がここに

無敵状態で突っ込んでくる

腹の中 臓に成り代わり

触ることもできず

発動もせず

ただ静かに居座っている

ずっとずっとずっと

忘れられない

ただ怖い

ヤニクラの心地良き吐き気

空腹にカレーでうがいした

よく晴れた冬の夜長に

長いコートが風を縫い

 

脳が細まり必要な美のみ見える

景色がすべて等間隔である

平たいものは意味を失う

異常な香りの記憶のせいで

空気の揺らぎが味覚に巣食う

 

胃が熱い

肺は無い

流れる吐息が頬を温め

そのまま道路を染めてゆく

秘匿の宵

はあ週の終わりに

すべてを停めて

葉巻くゆらして

お気に入りの違法エロビデオ垂れ流し

特級のヴァージン7年

古いゴードンの小瓶開け

爆音でCAKEのファッションナゲット

あらゆる時間から隔絶される

 

ビデオ止め

終わったレコード片付けて

やっぱWe get requestsだね

暗いまま本を読む

それも次第に瞑られてゆく

 

ノイズが少し

クリーニングして

B面の始まりが最高

You look good to me

楽しみで穏やかに疼く

 

ハイやダウンはくだらない

シャープなローを決めこむよ

先の灰を折り

新たな時間に向き合おう

お父さんの気持ち少しくらい

わかってきたかな

 

針路は常に闇のあと

なに弾き語って帰ろうか

平衡感覚

鬱めいてくる

何も変わっちゃいない

重たいのはコーヒー不足か

くるくる回っているだけだ

 

一度だけの人生いかに過ごす

ストレートに潔く

複雑怪奇にどろどろに

何も決めちゃいない

判断能力に疑いがある

 

すべて平坦に

すべて平坦に

 

右も左もわかっちゃない

略地図を見て

白いほうが陸なのか

海なのか

たいてい反対で

頭がクラっとしてしまう

美の終わり

顔と身体は100パーセント

内心内面半信半疑

うつろえどその魂は

今日ですべてを終わらせる

 

ふう明かされぬ我が身の錆は

いま鍵の

 

ここに散文を書くのはずいぶん久しぶりのこと

今年は散々だったんで令和6年はリセットミーしてスタートしたい

昨晩酒を飲みすぎてずっとぼんやりしてたんだが石井くん(教えてないご)のコンサートきたらけっこうな良いレストランだったのでハイネケンの生ビール頼んだ、さすがいい店はうまい。グラスで946円するだけある…。

今年はやや無頼であった、そして何より美であった

それを年末で終わりにする たぶん

僕の命もそう長くはない(急にすごいこと言い出した)

美の寿命はさらに短い しかし滅んではまた生まれる

僕は滅んだらもう生まれない 当然

美の行く末を見守って、また新たな美を座して待つ

待つ時は座す 歩いている時、僕は何も待ってなどいない

待っているのはその先のもの

座して待つ何か

 

たとえばインスタにたくさん自分の写真を載せた一年でもあった 去年もしてたし来年もそれなりにはするだろう

醜くなろうと思っているわけではない ただもう今の美はこれで終わり

「かわいいぼく」とまた戯れに書くだろう それはさして美とは関係がない

たぶんもう目つきが変わる 別の美になる

さようなら今の美よ

令和5年にすべて置いていく

改めて思う、わたしの飽くなき変化への欲

そしてさらに想う、僕の無限の童心を

絶えることなき無邪気さを

ここにとどまる空が如くに

雲が吹き抜けてゆくだけ

その二重性がまさに永遠

滅びゆく美よ また明日

くるくるまわる地球のように

霊園の花屋で

大いなる墓群のはし

ひらけた空をきりとった

戸のない四角な景色を望む

背もたれに沈み珈琲を飲む

 

屋根と壁の横長なスクリーン

鳥の声がするたまに来る

誘い合って猫も鳴く

雨上がり

 

以前このあたりで

カエルの大発生にでくわして

寺の横の細い道を埋め尽くし

つま先立ちで飛ぶように渡った

 

霊園のお花を売りながら

僕らにもお茶を出すこの古い古いお店では

たまにふしぎな物語をきく

池に大量発生したおたまじゃくしを見かねて捨てた住職が

すぐ死んだ

僕がカエルの大群を見たのは一度きり

あるいはあれらも霊だったのか

だれかに取り憑いて

殺すための集会だったのか

その喜びの歌か

 

おばあさんはとても死に詳しく

死に豊かで

本当に生きているのかわからないことがある

落ちる事

なぜかわいいことと

猟奇的であることはこんなにも

仲が良いのだろう

血とメルヘンの双方を子は愛す

 

いけないよ本当に

そこから産まれた呪いを背負い

椿のように真っ逆様に堕ちたいのだろう

本当は花びらのように舞いたいのだろう

 

いずれにしても

君は天を見てまた地を見るのだな

何もないこの世界を信じられなくて

目を閉じる時は死ぬ時であると

 

少し酸っぱくて

甘く渋い葡萄

恥と要

自分という好きの白釉

万札飛んでく醜い男

愚かしさ毒を慕え

花も枯れ

 

振り付けがいて

好きなようには踊れない

泣きながらなめらかに

動きながら固まっている

 

吸い尽くされて

少なくなってゆく

心許ない心のもとに

神秘と邪悪が忍び寄る

 

新しるのはいいけれど

切り取るごとに光るだけ

狭くて薄くて低くてが

気づいてることに気づいていない

 

汲み取れることを知らず

さめざめと減る

待つだけだ

期待するから悪いのだ

 

君のこと好きな人

みんな頭がおかしくて

顔がぎゅうっと苦しくて

見ているだけで死にたくなるね

 

地底から伸びる茎と葉が

山の上に出るその時に

僕だけを太陽が刺す

シーンごとに分け現像してくれ

 

明白なこと

愛があるから

酩酊のなかで香りがわかる

優れた顔は秒前に咲く

ただの文句

自殺を要請する

お前に生きてる意味などない

働けば働くほど

野球見て叫び

居酒屋行って叫び

電車乗って叫ぶ

 

なんてこと言ってたら

電車反対向きに乗ってた

慣れないことはしないこった

 

気を取り直して

 

肌色のマーチ

共感覚は誰にでもある

記憶が誰にもあるように

何を見ても何かを思い出す

 

気を取り直して

 

自殺を要請する

お前に生きてる価値はない

奈落の底のタイルの色は

裸足の跡がこびりつき

もぐらとみみずが俯瞰する

歯車のように顔を出す

叶わない恋をした

君がゆえ

君がため

おお歌え

エル・サルバドール

仮の世に

 

はためかす瞼

良い嘘を僕に

君の身体と

シナトラの歌

 

心踊り

二人の気持ち

長いお別れ

波打つようなカウンターで

 

四角のケースに丸いものが入ってる

いつもそうだね

大事なものをカドが守る

転がっていかないように

 

行かないで

このまま寝ていて

また素晴らしく感じ合いたい

 

コーヒーの香り

酒の匂い

したたる鍾乳石

ミルクの味わい

舐めてきたあの舌触り

 

煙草がすべて邪魔をする

記憶を覆い尽くす

ああ形のないものよ

呪いのように自在

 

閉じ込められた

耳を塞げ

目を捨てろ

スイートな銀の気体が

侵入してくる