2022-01-01から1年間の記事一覧

夢の扉

終わらない美 触れても触れても溢れ出て来る ような気がしてる 冷たい肌少しずつぬるまって また冷えてやがて 大いなる予感 溶け合うような離れるような 夢の世界に落ちてゆく 世界は閉じる 0ミリまで極限へ 本当はわしらの匙加減 でも確かにみんながそう思…

もうよそう 重ならなくなる 目は閉じすぎても 刺さるだけ 終わりに近い 明かりは眠たく 火のように 揺れてかすれる 運命は店仕舞い 闇に残るはわたしだけ 目は開けすぎても 乾くだけ

絵にした間合い

さよならボーイ 集中包囲 喜びと啓示 ゆらりアーカイブ 歩きつける配牌 酔いがちの春 この年末に さよならボーイ 感覚の麻痺 品川駅から新幹線で 飽きないよ一生 階段は続く 腹這いで合宿 ナッツバッグにリスがまつわる 通、この町 新しい 光より明るい美 許…

書店

薄暗く湿気た 汚らしい書店よ 意味のくせ偉そうに 高く澄まして幸福そうに 小売風情が 時に不幸気取り 都合で読み換える 他人の生首を整然と並べ 品評づらして楽しいか? 僕らの肩にかかっています あなたの金にかかっていますと 「文化」人質にペテン師が …

深夜のみ

口頭で言う デスマジック怯え ゆーとりまんでら問診途中 ええがやな 最近鳥には言っとるけれど 仮にもポイズン気取ってきまして 損切りなくても哀願よゆー マリちゃん待って しがらみの船に 小一時間の待ってる待って もうすぐ消える すっと新しく大好きな君…

渦巻き

ううん雲の舞う 美と美の儀式 遠く遠く指をのばして 量子反転 くるりと笑って 僕が上むけば 君は下をむく 僕が右見れば 君は左を見るように 髪の流れ 見えない香り 口の中の飴 癒えない音に 手のひらで耳を転がすと 首が大空をネメ回す 世が渦巻いて決着がつ…

自然を愛する不届き者は

概念の限界 人間で風穴を開けろ 正しさの不信感 手のひらで拭い去り 嫌われた人に会いにゆく 傷ついた心をもって 泣きそうで痛ましく 恥ずかしいまま胸張って あんたはあんたの好みを棒にして持って 貫いた抜け殻を憎しみにして また強くなるんだな 優しさを…

流れるだけ

花は届く 飛びもせず 記憶されたところへ 指先はいっさい触れなくとも 火打ち石のような 頬と頬 時計の音のように 木登りをしましょうと 呼びかける 汗をふくタオルを持っていきましょう 虫の音を聞き分ける 練習をしよう 目を閉じて 君の声 いまはどこか山…

ワインの血割り

不安ピーク ドーザーで越え 悟りに澄ます これを保つため 酔い続け 酒 クスリ 虚栄 肌に大人が結露する アーマー並みに固着する 心の内に仏を眺め 手のひらを胸の前に合わす 光り輝くまで 待つ 待つ 待つ 待って 待って 待って そのまま氷漬け 浮いて飛ぶ 抉…

さみしさとやさしさ

歩くだけでこぼれるので拾い回る可哀想な奴 拾い回って歩いてはまたこぼれている そのさみしさを見て何も言えなくなる優しい人たち さみしさとやさしさが下手すぎる いたたまれなくなって僕 カロリーメイト吸いに出る 可哀想な奴 可哀想な奴 誰でもいいから…

少年時代

忘れないです 見送った 五月の夏の終わりです 白墨の指に残った違和感と 咳き込む乗客にぼくは困ります なぜなのでしょう 過ぎゆくものです 縦長の積み木を二つ その上に三角を一つ おうちの中にぼくはおります その中にうずくまっています いついかなる時も…

旅情

かつて、かつて 路傍の憂い、 愛の飛ぶところ 旅をすべしや すまじや波瀾 急流に呑まれ白痴となって 陽射しの陰で眠るころ えい音の下 狩衣を濡らすチイと風 松の葉の先に雫がひとつ 恋を忘れて青空へ 蜜柑の香りがのぼり立つ ひらけた山道 あの風景が何枚も…