2013-10-23 言論の自由 言葉を奪われたら散文家は仕舞いだ しかし詩人は生き延びる 意味を失ってもその色が 匂いが 目方が 光沢が 手触りが あまさずに まずは血となり 肉となり そこから吐かれる呼気となり 必ず再びよみがえる 優しさも あの日の光も そのような祈りも 息づいて生きる 言論は固体 小説は液体 詩は気体なのだ どこへでもすり抜けていく 天に昇り 書物にしみつき 君に届いて また僕のところに戻ってくるだろう