抜ける青空と肌の色
ぐるぐる巻いた濃い茶の髪が
鳥の巣になってた
膨大な記憶
早幾年が過ぎたから
すらりと君は昔に戻った
僕の知らない昔に戻って
変わらず煙草をすっと咥えて
柔らかな微笑みを佇んでいた
何年前にはそうだったのか
一年前なら別人だったが
八年前ならこうだったのかな
初めて煙草を知った夜なら
変わらずに君はずっと吸ってる
頭も撫でられ飽きたのか
思い出したように台所に立つ
違うのは色と髪の動きだ
死んだ瞳を隠すあの髪
近づいた後ろめたさと
離れてしまった後悔と
青空と暗闇の循環に
懐かしい
欲望を隠すのは色と髪
失望を隠すのも色と髪
煙草のけむりは纏わりつかずに
換気扇へとまっすぐ昇った