声がききたくて
とまどい
雪の降る日のさらさらとした
冷たい空気を思い出す
花ならいつでも摘みにいくから
君の声ならここにある
最後のためにとってある
笑顔も涙もうかばなくても
歩く気力もまるでなくても
思いだすことができなくなっても
君の声ならここにある
花ならいつでも摘みにいく
最後がくるまでとっておく
いま声がききたい
暑さのあまりおかしくなった
記録的猛暑の体温計は
吐息の熱もあげていく
ためいきを火にかえてしまう
君の声が鳴り響いて
頭を壊してしまうまで
それで歩けなくなるまで
いつまでも凍るあの空を
眺めて
死ぬまで
摘みにいく花の住所を言って
君の声じゃなくてもいいから