回転の叙情

自殺のため 自殺のため

呪われていてそう言い聞かす

肌の匂いを不意に嗅ぐ時

血並みに濃い君を撫でたくなるな

 

金色の露 銀色の艶

まろやかなしたたり

 

冷たく白いしなやかな肉体

手触りばかり懐かしがるが

温度のことは忘れきっている

まるで本当に凍りついているかのように

 

愛は火のように熱く

唇は酒のように揮発する

しかし情事の記憶は彼方

我々はどこにいるのだろうか

 

声はすべて偽物だったと見える

耳を舐めて伝わったのは寒さだけ

幻想も目を開ければ現実になる

可哀想に もう何も信じてなんてないのに

見えるから熱いから感じるからと

まだその泥にこだわっているのか

 

知っている 終わったのだろう

新しい身体を手に入れてしまった

それでずっと口をつぐみ涙ぐんでいる

合図だけを待って

何度でも誰かに連れ去られるために

僕は決して傷ついたりはしない

夢ガチギレて

ここにもう

愛なんてないよ

夢がちぎれて

雲になるだけ

 

ハイエンド

更地の飛躍

棒の上に立ち

涙を垂らす

 

気前よく振る

腹立ちの旗に

威勢よく降る

枳殻の花に

 

疑われて消え

裁縫の箱へ

無くしても無くしても

きりのない針

 

胸元の底へ

 

開封済み

すべてはきっと

注がれる夢

溶解してゆく

 

散らばりを賭けて

真っ直ぐに撃つ

ここでここで

ここでここで

 

気まぐれに夏

遊興を待つ

水泳は初

時の流れにひたすらに勝つ

 

 

一所懸命生きているのである

ぜんぶのことがちょっとずつできないので

一所懸命生きている

比喩でもなんでもなく泣きながら

いろんなことを工夫してがんばっている

そしたらいろいろ褒められてうれしい

でも褒められていないと思う

ぜんぜん褒められていない

だってすごいからほめられているのであって

がんばってるからほめられているわけじゃないのだ

がんばってるね

がんばったんだねって言われたいなあ

すべてのことをすごくやるから

すごいねって言われて最高なんだけど

がんばってるよね!ってもっと言われたいという

非常にワガママなことで

ハン!って思う人もいるかもしれないが

仕方ないではないか

褒められたい

褒められていない

困っている

 

なぜこれを書いているのか?

このままでは死んでしまうからだ

泣いてしまうことを覚悟して

一度文字によって

詩によって整理をつけないと辛くて辛くてたまらなくて

たいへんなことになるように思えるからだ

別に実際そう大変でもないんだろうが

整理をするってそういうことなので

そのためにこういう機能があり

こういう話になっているのだ

 

みんなのことが大好きだよ

という時のみんなのことを僕は本当に大好きである

救われている

だけど寂しさの消えることはない

むなしいことではありませんか

それではなんのためにみんなのことを好きでいるんです?

わからないけどやっぱり寂しいんだね

寂しいから人を好きになるしかないんだよね

寂しさは消えるものではないし

消すために何ができるでもない

すべきでも もちろんない

あとそういうマイナス起点の話だけでなく

良いものが好きなのだよね

美しい事とか。

漫画とかで知ったことをいつまでも信じているのだよ

前向きにそうしているのである

両方ある もちろん

 

みんなには大変感謝しておりますが

合ってるとは言い難い

それで孤独から離れられない

だから仲良しという中間のことを考える

僕のことではなく

君のことでもなく

仲良しという中間のことを考えるわけだ

合う合わないではなくて。それは相性という意味ではなく正解という意味だ

誰も正解なんて出してくれない

見つけてくれない

わかってなんてくれない

誤解した優しさがとても嬉しいが辛い

だから優しさがただ機能でしかない仲良しという感じを僕は好むというわけだ おそらく

 

着物を畳む

畳まずにはおれない

たとうしで包む

泣いたら何故かずっと無視されていた蚊に刺されて驚いている そういうものなのか

 

もう勘弁してくれよわかったような慰めは

わかってないことを沈黙で示すとか

わからんがなんかあるろうと思う

ううむ まあ そうだな

慎重さ というよりもたぶん 慎重であろうとした様子が きっと僕を幸せにする

それは前向きに仲良くしようと思ってくれた証だから

僕もうそれだけでいいんだよ

なにもわかってくれなくていいしわかろうとしなくていい

すべきでもない

慎重でいよう 一緒に考えていこうと 示してくれるだけでいい

 

着物を畳み終わった

ぼんやりとして畳み方がわからなくなってなんぎした

泣いたら蚊に刺されたくだりを友達に言ったら

「抵抗しなさそうな人を狙うのかな」と返ってきた

弱そうな奴を狙っているのか!

めっちゃ面白くて爆笑した 友達はいいな 本当にみんなが大好きだ

 

表題 一所懸命生きているのである

畳み方がわからなくなって泣きそうになっても

一所懸命思い出したり調べたりして畳むのである

そういうことが日々のほとんどすべてなのである

できないことだらけの絶望の中から

アンバランスに飛び出た才覚と

血の滲むような工夫の頑張りで

なんとか社会の外側にしがみついている

 

それにしてもこれは蚊ではない

もっと恐ろしいものな気がする 腫れがでかすぎる 掻いてもないのに

それともそれも泣いたからなのか?

涙は透明な血なのか?

 

自然に居てくれるの嬉しすぎるな

黙ってさりげなく

本当にありがとう

強く生きていきますね、これからも

とても嬉しかったです きみの強くなるぞという宣言が

一所懸命生きている人に対して

自分も一所懸命生きますと言ってくれたんだから

(と、僕が解釈できるような一言だったから)

それほど心強いことはないよ

 

良い涙に変わった

そろそろ寝よう

夢を払う

君になりたい

足りなくて困ってる

早くそんなに美しくなりたい

夢を払ってもっと舐めたい

 

幸福を描き出す

絵筆のように僕は撫でる

一瞬に鮮やかとなり

肌は一層なめらかとなる

 

夢を支払い

君は裸を売ってくれた

あらゆる手と唇を

そして足を

すべてを使って買い取った

 

小さな言葉を匙に載せ

君へ放り込んでみた

凄まじく歯が擦れ

耳が壊れてしまいそうだった

 

甘みと柔らかな舌触りを

僕は無限に卸し続ける

湧き出してくる全身の夢を

不法と知りつつ束にして渡す

しい道

月が在るなら 針は似る

雪が降るから 春は来る

血を匂え 灰を買え

愛の苗 息を吸う

 

直筆の名 今を去り

未来へと

飛ぶ

 

島は浮く 人は死に

森は覇気 塗りかえる問いに

満たされて吐く

釣り合わぬ不意

所感な

知性なき善人

欲望の封じ込めに躍起

衝動と快楽に弱い

ゆえ反動の作り笑い

 

知性あふるる悪人は

欲望のそとぼりを埋めてゆく

衝動はない 快楽はじっくり

心の内で密やかに笑う

 

信仰

知性なき善人の真上に

愛と戒めが降りそそぐ

知性あふるる悪人は

ただ一人きり人を愛し

ただ一人きり誰かを律す

 

ただ密やかに光として在り

我々の指に破られて漏れ

ひとすじ照らす

肌を持たぬ生命は無い

波動のような数のないあたたかみ

あらゆる言葉はそのバリエーション

逆立つように涙が増える

枯れてゆく

もうキスはやめる

煙草を吸うから

すべて終わりにしたいんだ

誰も近づかないように

 

草の香りの人はいない

僕の香りにはあきあきだ

時に女が寄ってくる

それもとびきりいい女

 

君と僕のあいだ

あるべきは

花の香り

風の香り

土の香り

その他すべてのまっすぐな香り

通り過ぎてゆけ

 

もう抱きしめることはない

汗も教えない

獣の香りは秘密の場所に

隠す

みゆゆ

みゆゆ みゆゆ~

みゆ~ みゆゆゆ~

みゆゆ みゆゆ みーゆーゆ

みゆゆは美優優と書きます

本当は美優です

本名はみゆです

美濃出身ではありません 越後です

 

みっゆう みゆ~ ゆーゆーゆ~

ゆゆゆ~ ゆ~ みゆっゆ~

みんみん 蝉がなくよ もうすぐ

美と優!

美しさ、そして優しさ!

すごいだろう みえるだろう

バイストンウェル このまちだいすき

すべて幻想 ファンタジー 全てが美しい

そして優しく

厳しくもある どこもかしこも

人が住んでいる

 

自転車漕いで海をみにゆく

みにゆく みゆ にく みゆみゆ~ みゆ

憎い 殺す 嘘だ 違う

助けて!

凡庸と孤独

人間が! お前は終わった

流行り 常識 反吐が出るのだが?

逃げろ逃げろ

遠くへ行け 誰もいないところへ

目の前にある全てのモノを

化けモノと思え!

 

既知のものを愛すな

未知のものを未知というだけで

憧れるな 馬鹿か?

みんなが好きなものを自動的に嫌いになれ

そのように思える「みんな」を描け

楽器を捨てろ

イヤホンを外せ

口で咥えて

ハンマーでホームラン打て

 

詩にならない文字を書くな

読むな

勘違いするな

お前の持っている本の中のそれは

一切詩などではない

お前の内から湧き出てくるものそれ以外

何一つ詩ではない

それと共鳴した時にのみ

本の中身が詩となるだけだ

 

凡庸の海に抱かれ心地良かろう

足掻いているつもりでもあろう

助けてと叫ぶのが気持ちよかろう

涙の味が乾き切る前に

死に背を向けろ

そこに本来の絶望がある

 

春 四月 新たなる陽射しに

古き悪しきものたちは陰となる

そこから毒矢で狙ってくる

笑顔の下の急所を貫く

二度と抜けない常識の楔!

 

かっこいいもの

一見まとまっているもの

謎かけのようにスッキリとするもの

すべては嘘だ

本物がそんなに予定調和なはずあるか

逃げろ逃げろ

遠くへ行け より遠くへ

そこにいてはいけない

ここだ と思ったそこが常に墓場

あいつらはいつも狙っている

必ず下から放たれる

足元を見ろ 空ばかり見るな

美しいものをすべて疑え

何もかも消えた後に残るものに目を凝らせ

誰も見ていないものを

誰もまだ知らないものを

ただそれだけを追って孤独になれ

それが辛いならこれまでの全てを忘れて

ただ漂っていればいい

別れを告げろ

若き日の君に

きらめき

輝くのは

寝ていないから

泥の乾いた

最高の天気

 

家に入れば終わってしまう

ふるさとの旅

惜しんで眺める矢田川

なんと緑にまばゆいことか

 

動くなよ

流れに逆らう

青いジョギング

邪魔すぎるしかし

 

近景の

帽子かぶった老夫婦の

速度とまったく同じであった

 

枯れた堤防と

生い茂る川辺と

 

すべて止まれと願うのは卑しい

そこに一瞬があるだけだ

祝え

感謝を

じっくりと這う自動車たちにも

守山を飛ぶヘリコプターにも

小牧からゆく航空機にも

遠くに見える岐阜の山にも

性の遅れ

性的女児

非性的女児

知らん花見

退屈の中

 

なわとびと

キックボードと

大縄跳びと

のこぎりと

 

知性の多寡

アルコールでならせ

合意に充てよ

小学校の覗きやすいプール

 

空は広がり

30年やそこら変わらない風景

たびたびの更新

赤ん坊のまま

脳と足だけ

二日酔いの中

錆びて麻痺して動き続ける

鬱メートル

クラっとする交通地獄

年度末工事多すぎ

鉄骨見上げた空は曇り

すべては僕のためのもの

両手ぶらりで受け止めとる

 

気が進まない

理由はない

生理的に無理

優しくできるがしたくない

頰撃つ間合いに誰もない

 

地獄さながらの雨模様

みなさまもそう思うのだろう

すべてのものが僕に冷たい

あたたかいものなど何もない