わからない

好きなものの違いすぎる僕らが

愛し合えることを

正当化するための理由なんて

いくらでも考えられるけれども

というように

散文的に書くと

詩ではなくなるので

僕は何も言えなくなる

好きなものが違いすぎる

僕らは愛し合う

それはそう 正しいと

可能性は告げる

というふうに

すこしの詩情を加えてみたところで

何の意味があろうか

問題は「書かれかた」ではない

心を持ったブリキの人形は

オズの世界にしか出てこない

というように

一見意味がわからないが

実は重要な意味を含有しているという

手法は

いわゆる考えオチのようなものであって

それは数学の問題を解くときのような

ひらめきを要するものであるから

詩としてくだらぬ

もやもやとしよう

もやもやと

小舟が進んでいる

道路をぷかぷかと

月の光に照らされて

高架線路の方向へ