恋をしようよ

きらいなものがないのなら

恋をしようよ

忘れるものがなにもないなら

健康的に

恋をしようよ

明日の予定のない晩の

眠るまでの

酔いのように

恋をしようよ

ソファの柔らかさのように

砂浜の広がりのように

宇宙の果ての暗闇のように

名前のつかない

恋をしようよ

あてのない散歩が好きなら

路傍の花を愛するのなら

勇気をだして

扉をあけて

恋をしようよ

いずれ誰かに殺されるのが

怖くて怖くて仕方がなくても

明日の天気が気になるうちに

たったひとつの指をつなごう

何通りあるんだろう?

すべてのことを試してみようよ

明鏡止水の美しさ

なだらかな池の上に立ち

どっちにするのと問いかけながら

迷ってるのはあなた自身だ

恋をしようよ

恋の証

みんな好き
すべてが恋で
全部が全身
愛してるって
わけもないこと

ピアノの音
ヴァイオリン
歌声と囁き
虫や川や星にも
耳をすませたくなって

あなたと離れる
その時にはぜひ
花火をしよう
打ち上げ
手持ち
線香花火
なんでもいいから燃え尽きるのを
僕は見ていたい
どんな色でも構わない
どんな光が照らしても
それが笑顔でなくたって
あなたの顔を見ていたい

さよならは積もる
減ることがない
さよならはそのままで
こんにちはって
何事もなく続いてく
終わったことは確かだったのに

きらめくよ
歩いていても
一足ずつが
水たまりを跳ねるように
光の粒をとばしてく

恋の鮮やかな模様
愛のセンチメンタルな結晶
微笑みは宝箱を開けたように
僕の心をひそかに照らす
遠くにいてもそれがわかる

隙間から
風が吹いて
波が起こって
さらっていくのだ
恋の砂浜

そのひとつひとつが
証拠になる

アイラブユー

愛は愛と知る
僕は僕と成る
知らない子供はわからない
すべてありのまま すべて
光を見ている
手を繋がないで
UFOも見ない
そらの名前をあてっこしてた
踏みしめる土とゴミの山の道
僕はバイパスをひた走り
永遠にこない君を待ってる
そんなことはもうわかってる
涙は高速に流れてく

愛を愛と知り
君と僕は成る

夢みてるんだ
朝の春の夢
届かない愛
伸ばせない腕
雨は降り続き
夜はもう来ない

目に見えなくて
すべて抱きしめたいけれど
タイムマシンに乗っかった
新しいことはもう
何もない
さらばさらば
愛していたもの
微笑みと抱擁
ついに咲かずに散ってった
火山の地下のマグマの火

言ってはいけない言葉なら
とうの昔に塗り潰している
愛を知る君は君と成り
このままで僕はまだ成らず

雪だるまへ

「雪だるま」でラーメンを食べよう

とても深夜に

おじさんは今日も世間話をしてくれる

テレビがいつもついている

『サバイバル』とか置いてある

いつも誰かがビールを飲んでいる

僕もいつかはビールが飲みたい

でも僕はいつも

毎回違ったラーメンを一杯だけ食べて帰る

塩としょうゆは600円

味噌ラーメンだけ650円

とてもせまくてカウンターには

とても十人は座れない

だけど決して混むことはなく

静かに飲んで食べている

とてもとても古いお店

君を連れていきたい

どんな顔をするだろう

写真のような一瞬を

君と過ごしたい

永遠に僕たちがそこでだけ

僕たちでいられるような

たとえ死んでも

もしも別れても

どんな悲しみが流れ込んでも

いつか遠くへ行ってしまう

いまも遠くにいる君へ

恋と幻

麻薬のように入り込んで支配してくるのだ

恋は

幻のように消えていくのだ

指の先まで充ちていて

どうしようもなく脈動する

のたうち回る

狂ってピアノを弾くように

麻薬のように欲しくなるのだ

もっともっと

でも恋はいつも幻のように

まちがっていると人に言われて

朝になって「そうかもね」って

うなづいたって止まらない

星が流れたり

空を見つめたり

涙があふれてきたり それで

散歩に出てコーヒーを飲んで

ひとりでいるのを孤独と呼んで

また空想にふけりだす

そして夢を見る

君の夢を見る

君が混じった知らない誰かと

手を繋いでる夢を見たんだ

幻のような顔のない人

それよりも

ただひとりだけの君をずっと

目が覚めてからは考え続けてる

いつまでも恋は

孤独でいるんで

いつまでも恋は

孤独でいるんです

わきあがってくる大きなもののために

それを永遠に信じ続けたいために

注射器で恋を流し込むような

そんな真似は絶対にしない

だから今日も君を想っているのだ

心から

いつか言えるようにと

すべて幻でも

空想をやめないでる

夢のつづき

夢は終わり、夢はつづく。

何万分の電話。

何百回の交合。

一度きりのあらゆるすべて。



曲がっても真っ直ぐで

まるで地球の輪郭のよう。



真っ直ぐ行っても曲がっていって

まるで地球の輪郭のよう。



僕らの世界は終わりを折り返し、

出発地点を見下ろして、

高く高く舞い踊る。



誰もいないところで。

誰もいないところへ。



現在地を笑い

目的地を笑い

出発地点を泣いている。



夢はつづく。



何千回の抱擁。

何十回の栄光。



あと一度だけ

何度でも

一度だけ。



繰り返されることのないもの。

永遠に戻ってこないもの。

約束したこと。

いつか新しくなれること。



さよならのかわりに

愛し合うことを選ぶ

人たちもいる

ただせつなさを胸に抱き



さみしさを捨てて。

悲しみにすがらず。

怒りも憎しみもなく。

せつなさだけを勲章に。



北極点をくるりとまわって

地球をまわったことになるなら

僕らはそこで踊り続けよう。

夢のように

夢のつづきを演じるように

うつつの僕らを楽しんでいよう。



愛がいつしか溶けていくなら

もちろんそこは海になり

僕たちは泳ぐだろう

裸になって

笑いあってね。

太陽

それはもう大きくないよ

ぬかるんだ足元の

どよめいた軽はずみ

水平線の下を見つめて

濁った海の水を飲む

砂漠にいれば幸せだろうか

夜を越えたら忘れられるか

走って行こう

遠くなくても

心臓が震える

たばこのけむりに

血管の引きつる感覚に

酔いどれている

この世の元始

ほんの少し

パソコンつけて

ほんの少しだけ

あの日のような

指先

誰にも伝えない

こころのなかに

空をえがいた

星をえがいた

そして川原に

いる気になって

そびえ立つ団地の

明かりを見上げた

気になって

一度もまちがえない

人生なんてない

何度もまちがえた

人生だってない

常に一度のあやまちを

最新のものを背負い込む

その生命

指先

そう思ってた

パソコンをつけて

目をつぶりながら

熱い熱

かんかん照りや

夜の涼しさ

真夜中に帰ったら

お父さんがまだ起きていて

漫才を見てて

一緒に笑った

間違いなんて何もなかった

たったひとつを除いては

いつもひとつの重荷だけ

引きずりながら歩いているだけ

ほんの少し

目をつぶって

思い出せば

行ける

覚えているならどこへでも

こころのなかに

空をえがいた

星をえがいた

ほんの少し

目をつぶって

描く

君を描く
夢が描く
夢それは
あらゆる観念的なもの

身にまとう温かさ
完璧でなくても

君を描く
それは夢
夢のまた夢
愛を描く

ゆっくりと
端正に組み合わせ
すべての抽象的なもの
その夢の城

織り成され
積み重なって
光を放てば
それは夢

虹の源

君はいる
そこにいる
夢のある場所
あらゆるものの満ちたとき

嘘つきなリーダーたちは消えていく

世の中よ
嘘つきのほうから消えていく
そんな君たちだからこそ
僕は信じる
洗練された青春の
その結晶の輝きを

幸あれ
多すぎる音は無い
平たいリアルの残像は
胸の奥底にあってこそ

芸術を愛でるつもりで
若い娘の生き血をすする
それが自然で
それは哲学

リーダーたちは消えていく
すべてを教育として
置き土産を残して
新しい人へと
降り注いでいった
愛した日々に悔いはない

道を分かれれば
すべては嘘となり
だからこそ前へ進む

宇宙で一番正直だった
あの偉大な人たちが
残酷な嘘つきに転向しても
愛した日々はそこにある
新しい嘘はまた
新たな真実となり
この世のどこかで育んでいく

これからの世界を照らし始めた
この門出に
残された幸なきものたちは
背負わされた種を蒔いていく
いつかその肩に
天使の羽根が残るまで

スクリーン

みんな
ありがとう
僕は大丈夫
輝いている
ときめきを

こころのまるい
君たちは
忙しい

悲しみを赤く
よろこびを青く
巡りゆく
循環のなかで

吐き出すような
笑みをみるより
透明なきみの
秘密を知りたい

今度遊びに行くときは
たとえいなくてもかまわない




だきとならし

死亡、酔いよ。

美しくもない夜

見つけられないから

泣いてばかりで

遠く遠く

響きもしない

真空のような隔てられた夜空

梅も桜も

ゆっくりと丁寧に

好きな茶を望み

様々の土地を試して

故郷にはかないはしない

大抵は涙する

意味のない

その行為

微笑みを糧に

そのままで死んでいく未来を憂う

台無しにしてしまうかも知れない

二度と会えないし

交わり方も難しい

一期一会も再会によって

結局

秋風も

すり抜けていく

胃のむかつき

たまっている黄色い質

自分を弄びうる権力を厭って

若い心を愛するのみの

ただそれだけの日常へ

潜りつつ

死を想う。

繰り返すだけだ

愛に満ちても

一度だけの幸福に

騙されてきた

落ちるだろう

祝福はきっと維持だろう

循環するのだ

ここにはとてもいられない

お前をここにはいさせない

笑いながら

殺されるのだ

それをまちながら

全力投球し続ける

ほぼ、奴隷のような

心、