恋と幻

麻薬のように入り込んで支配してくるのだ

恋は

幻のように消えていくのだ

指の先まで充ちていて

どうしようもなく脈動する

のたうち回る

狂ってピアノを弾くように

麻薬のように欲しくなるのだ

もっともっと

でも恋はいつも幻のように

まちがっていると人に言われて

朝になって「そうかもね」って

うなづいたって止まらない

星が流れたり

空を見つめたり

涙があふれてきたり それで

散歩に出てコーヒーを飲んで

ひとりでいるのを孤独と呼んで

また空想にふけりだす

そして夢を見る

君の夢を見る

君が混じった知らない誰かと

手を繋いでる夢を見たんだ

幻のような顔のない人

それよりも

ただひとりだけの君をずっと

目が覚めてからは考え続けてる

いつまでも恋は

孤独でいるんで

いつまでも恋は

孤独でいるんです

わきあがってくる大きなもののために

それを永遠に信じ続けたいために

注射器で恋を流し込むような

そんな真似は絶対にしない

だから今日も君を想っているのだ

心から

いつか言えるようにと

すべて幻でも

空想をやめないでる