馴染まれと

ありがとう

そして尊き良き時

あるいは未来

最高と交わす酒

君はどのくらい飲むのでしょうか


幸いの

そこのカフェ

われらになじまれ


「酔っ手羽」という店が例えば

「山ちゃん」という店が例えば

「鳥貴族」という店が例えば

そうであるように

いつかなじまれ


雫が湖となったのを

今知った

足が濡れている

心地よくとも

座るわけなく

天に雨を乞う

ゆたかなれ

まざれまざれと

われらになじまれ

光あれよと


見つめた先に

髪は香る

生まれたままに

わきたつ

わきたつ

巻いた渦

ゆるまるように散る

祈り


ありがとう

未来におめでとう

さようなら

僕は消えない

うすまっていけ

ゆるまっていこう

記憶のように

雫のこと

われらは涙を流し続ける

湖がいつか球体となって

君の立つ大地を浮きぼらせるまで

あなたが宇宙に組み込まれるまで


ぼくらの足首がずっと一緒に

同じ高さに浸かるなら

座るわけなく

歩くだろう

歩いているのをたまに見るだろう


愛情はもう何年も

育つあなたとともにある

すこやかにまざれ

けがれても

この湖に帰っておいで


お酒を飲もう

散歩をしよう

真夜中はみんな秘密

まざれまざれ

ここになじまれ


ブランコにのろう


ずっと続く

ずっとなかよし

ずっと美しい

たのしくたのしく

心地よく

でも手触りは何もない


きらめいた君と

大きく息を吸い込んだ

暗闇はつめたく

そのまま記憶に張り付いた

たった一瞬のできごとだった