どんだけありふれてても

靴の裏にこびりついたガムみたいにさ

いや絶対そりゃマズいんだけど、これって喰いもんなんだよなあ、みたいなさぁ?

喰えるかなとまではいかないんだけど

口にいれるもんなんだよなあって。さぁ?

でもガムってさ、胃の中に流し込むもんじゃなくって

口の中だけで捨てられちゃうもんじゃん

それって、僕がむかし抱いたあの娘に少し似てるのかなあって

思うと、僕ってすっごいひどい男なんだなあとか、さ

こういうのって、自己嫌悪とかそういうのとは、ちょっち違って、さ?

なんの意味もないわけじゃん

こまんない? こまんないかな。そうかぁ

どうしようもないだけなんだろうかなあ

ガムってさ、いつまでもどこまでもこびりついているもんなんだよ

これって記憶に似てなくね? 踏みつけても踏みつけても残ってくるから

せめてもっと見栄えのよいガムとか

踏み心地の良さとかを求めていくんだろうねえ...

いや、いや、比喩とかそういうんじゃなくってさ

ガムの話だよ。女の話なんかしてないってばさ

そういう、下世話なの、やだよ嫌いだ、嫌・い

なんかさ、ありふれすぎてるんだよ そういうのって、さぁ?