雪だるまへ

「雪だるま」でラーメンを食べよう

とても深夜に

おじさんは今日も世間話をしてくれる

テレビがいつもついている

『サバイバル』とか置いてある

いつも誰かがビールを飲んでいる

僕もいつかはビールが飲みたい

でも僕はいつも

毎回違ったラーメンを一杯だけ食べて帰る

塩としょうゆは600円

味噌ラーメンだけ650円

とてもせまくてカウンターには

とても十人は座れない

だけど決して混むことはなく

静かに飲んで食べている

とてもとても古いお店

君を連れていきたい

どんな顔をするだろう

写真のような一瞬を

君と過ごしたい

永遠に僕たちがそこでだけ

僕たちでいられるような

たとえ死んでも

もしも別れても

どんな悲しみが流れ込んでも

いつか遠くへ行ってしまう

いまも遠くにいる君へ

恋と幻

麻薬のように入り込んで支配してくるのだ

恋は

幻のように消えていくのだ

指の先まで充ちていて

どうしようもなく脈動する

のたうち回る

狂ってピアノを弾くように

麻薬のように欲しくなるのだ

もっともっと

でも恋はいつも幻のように

まちがっていると人に言われて

朝になって「そうかもね」って

うなづいたって止まらない

星が流れたり

空を見つめたり

涙があふれてきたり それで

散歩に出てコーヒーを飲んで

ひとりでいるのを孤独と呼んで

また空想にふけりだす

そして夢を見る

君の夢を見る

君が混じった知らない誰かと

手を繋いでる夢を見たんだ

幻のような顔のない人

それよりも

ただひとりだけの君をずっと

目が覚めてからは考え続けてる

いつまでも恋は

孤独でいるんで

いつまでも恋は

孤独でいるんです

わきあがってくる大きなもののために

それを永遠に信じ続けたいために

注射器で恋を流し込むような

そんな真似は絶対にしない

だから今日も君を想っているのだ

心から

いつか言えるようにと

すべて幻でも

空想をやめないでる

夢のつづき

夢は終わり、夢はつづく。

何万分の電話。

何百回の交合。

一度きりのあらゆるすべて。



曲がっても真っ直ぐで

まるで地球の輪郭のよう。



真っ直ぐ行っても曲がっていって

まるで地球の輪郭のよう。



僕らの世界は終わりを折り返し、

出発地点を見下ろして、

高く高く舞い踊る。



誰もいないところで。

誰もいないところへ。



現在地を笑い

目的地を笑い

出発地点を泣いている。



夢はつづく。



何千回の抱擁。

何十回の栄光。



あと一度だけ

何度でも

一度だけ。



繰り返されることのないもの。

永遠に戻ってこないもの。

約束したこと。

いつか新しくなれること。



さよならのかわりに

愛し合うことを選ぶ

人たちもいる

ただせつなさを胸に抱き



さみしさを捨てて。

悲しみにすがらず。

怒りも憎しみもなく。

せつなさだけを勲章に。



北極点をくるりとまわって

地球をまわったことになるなら

僕らはそこで踊り続けよう。

夢のように

夢のつづきを演じるように

うつつの僕らを楽しんでいよう。



愛がいつしか溶けていくなら

もちろんそこは海になり

僕たちは泳ぐだろう

裸になって

笑いあってね。

太陽

それはもう大きくないよ

ぬかるんだ足元の

どよめいた軽はずみ

水平線の下を見つめて

濁った海の水を飲む

砂漠にいれば幸せだろうか

夜を越えたら忘れられるか

走って行こう

遠くなくても

心臓が震える

たばこのけむりに

血管の引きつる感覚に

酔いどれている

この世の元始

ほんの少し

パソコンつけて

ほんの少しだけ

あの日のような

指先

誰にも伝えない

こころのなかに

空をえがいた

星をえがいた

そして川原に

いる気になって

そびえ立つ団地の

明かりを見上げた

気になって

一度もまちがえない

人生なんてない

何度もまちがえた

人生だってない

常に一度のあやまちを

最新のものを背負い込む

その生命

指先

そう思ってた

パソコンをつけて

目をつぶりながら

熱い熱

かんかん照りや

夜の涼しさ

真夜中に帰ったら

お父さんがまだ起きていて

漫才を見てて

一緒に笑った

間違いなんて何もなかった

たったひとつを除いては

いつもひとつの重荷だけ

引きずりながら歩いているだけ

ほんの少し

目をつぶって

思い出せば

行ける

覚えているならどこへでも

こころのなかに

空をえがいた

星をえがいた

ほんの少し

目をつぶって

描く

君を描く
夢が描く
夢それは
あらゆる観念的なもの

身にまとう温かさ
完璧でなくても

君を描く
それは夢
夢のまた夢
愛を描く

ゆっくりと
端正に組み合わせ
すべての抽象的なもの
その夢の城

織り成され
積み重なって
光を放てば
それは夢

虹の源

君はいる
そこにいる
夢のある場所
あらゆるものの満ちたとき

嘘つきなリーダーたちは消えていく

世の中よ
嘘つきのほうから消えていく
そんな君たちだからこそ
僕は信じる
洗練された青春の
その結晶の輝きを

幸あれ
多すぎる音は無い
平たいリアルの残像は
胸の奥底にあってこそ

芸術を愛でるつもりで
若い娘の生き血をすする
それが自然で
それは哲学

リーダーたちは消えていく
すべてを教育として
置き土産を残して
新しい人へと
降り注いでいった
愛した日々に悔いはない

道を分かれれば
すべては嘘となり
だからこそ前へ進む

宇宙で一番正直だった
あの偉大な人たちが
残酷な嘘つきに転向しても
愛した日々はそこにある
新しい嘘はまた
新たな真実となり
この世のどこかで育んでいく

これからの世界を照らし始めた
この門出に
残された幸なきものたちは
背負わされた種を蒔いていく
いつかその肩に
天使の羽根が残るまで

スクリーン

みんな
ありがとう
僕は大丈夫
輝いている
ときめきを

こころのまるい
君たちは
忙しい

悲しみを赤く
よろこびを青く
巡りゆく
循環のなかで

吐き出すような
笑みをみるより
透明なきみの
秘密を知りたい

今度遊びに行くときは
たとえいなくてもかまわない




だきとならし

死亡、酔いよ。

美しくもない夜

見つけられないから

泣いてばかりで

遠く遠く

響きもしない

真空のような隔てられた夜空

梅も桜も

ゆっくりと丁寧に

好きな茶を望み

様々の土地を試して

故郷にはかないはしない

大抵は涙する

意味のない

その行為

微笑みを糧に

そのままで死んでいく未来を憂う

台無しにしてしまうかも知れない

二度と会えないし

交わり方も難しい

一期一会も再会によって

結局

秋風も

すり抜けていく

胃のむかつき

たまっている黄色い質

自分を弄びうる権力を厭って

若い心を愛するのみの

ただそれだけの日常へ

潜りつつ

死を想う。

繰り返すだけだ

愛に満ちても

一度だけの幸福に

騙されてきた

落ちるだろう

祝福はきっと維持だろう

循環するのだ

ここにはとてもいられない

お前をここにはいさせない

笑いながら

殺されるのだ

それをまちながら

全力投球し続ける

ほぼ、奴隷のような

心、

 

きりさく涙

ときどき女の子は
切り裂いて涙を流す
歌い踊る君の腕に
輝きながら泣いている

無理矢理に
こじ開けるように
優しく這わせる
青い手に

愛のきらめき
恋も安らぎ
幸せの絶頂を知っている
明日もかならず美しく
きっと君は生きている

できること
なんでもする
もしも許してくれるなら

いつでも女の子は
弾けるために心揺らしてる
ほっぺたに涙腺に
空へ伸ばした両腕に

もしかして
どこか遠くへ
悲しみや苦しみや
理解できないあらゆることを
押し込めているのかもしれない

僕は知りたい
何があったの
そんなことはどうでもよくて

どこに向かって
走っていこう
立ち止まって
わけのない時を過ごしています

星のかなたに
鳥のさえずり
花の匂いを覚えてる
明日もかならず美しく
ずっと君は生きている

川の流れに
海の涙を
ぽつりと落とすようなこと

また
会いに行きます

竜頭蛇尾

ブームは去る
竜頭蛇尾
姿をくらまし
時おりだが顔を見せる

何も変わってないようで
それでも落ち着いてるようで
思い出すこともあるようで
忘れていないあの音楽

流行は
風が吹き過ぎるように
不易の心を
通り抜けていく

殺伐とした荒野から
泉が湧き出てくるように
ふとした瞬間
嵐のあとの静けさへ

ずっと友情はつづく

放課後のまま

ずっと続いたら

きっと

なにもかもわかるの

空は誰かの

青春を映してる

今も

花びらははぐれ

土にとける

書けなかった手紙があふれ出す

空へ

虹をかけて

宝箱をあけるよ

君に届け

いつの日か

そよ風

春の陽ざし

新しい想い出たちが

忍び込んでくる場所

心にすみついた翼

誰かのための

空を舞う華火

だって

青春はいちどだけ

楓ふみわけ

冬の扉は大人

ひとり

さみしくなるたび

「好き」がふえる

書けなかった手紙を思い出す

空へ

虹よかかれ

玉手箱をあけよう

未来まで

まっすぐに

月曜日までは

そう

何をしてても

いいんだね

しずかに瞳とじて

翼ひらく桜吹雪

そうか

魔法なんだね

繋がっている暮らし

ずっと

空へ

虹をかけて

宝物をあげるよ

友情から

優しさへ

光を浴びてひとつ

美しさ 花 ひらく 夢

遠く離れていても

このままもうさよならでも

誰かのための空を見上げて今も

放課後のまま

ずっと