少し肌寒い
街灯に群がり
落ちていく虫達
深夜とぼとぼと散歩する
腕のない老人
からからと回るハムスターの音
控えめな電子ピアノ
見えない粒となって落ちてくる
夜の煌めき
星空に向かって思いっきり投げた
ビー玉の落下点
街灯の奏でる
死を匂わせる音の間隙
ざらざらの屋根で朽ち果てる
虹色の虫
渇いた音をして降ってくる
小さなぬけがら
空には狂った精神が飛び交う
彼らは到達点
川に降りる
声を聴く
生命を感じる
草むらの中にキラリと光る
さっき投げたビー玉
橋の下に住む老人達の寝息
風のざわめき
川のせせらぎ
発狂寸前のこの心
土の混じった爪の垢
全てが美しい
全てが美しい