初のデートは初デート

恋をして

詩を書いて

手を振って

笑み合えば

また会える

口の中

溶け込んだ

立ち尽くす

地蔵菩薩庚申塔

 

風の中に冷たさがあって

コートの内に月がある

街灯の照らす公園の土は

跳ね返し

匂い立つ

 

16の君と18の僕が

一月の橋で待ち合わせていた

 

窓から何でも忍びこめてた

頰にあたれば速度を増した

あなたとわたしの合間にあった

あらゆる川が粒子であった

 

流れる音を

聞き逃しては

わざわざ外へ

拾いに行った

輝く石を

いざなうかおりを

はだしの時も

空回りでも

決して捨てない

長い前髪

 

土よりもビルの明かりがよく見える

大人になって

 

空の高さは変わらないけど