若い詐欺師

若くなくなる保険を持って

若さ謳歌する卑怯者

いつか落ち着く手筈でもって

破綻匂わす小狡い詐欺師

 

憧れの無頼

青春というエネルギー

手は届くけれど戻って来れない

ゆえにしっかり握っているね

いつもそうしていいとこ取りで

 

苦悩もすべて過ぎ去ることは知っている

そのことを嘆いてみせる

その前に死ぬと嘘をつく

死ねないことは知っている

死ねたらいいなと願ってはいる

知らないうちに痛みなく

終わってくれたら正直者だ

そういう一握りの奇跡にわたしはなりたい

この想いだけは本当だから

どうか許してくださいと

何十年も生きさらばえる

知ってるくせに

知ってるくせにな

 

普通ということを正確に知るのが恐ろしいんだろう

自分の位置は知りたくなかろう

だから不誠実に狂おしいふりをする

0か100かに限定するのは

目を背けたいだけだから