おばあさんの喫茶店で
寝転んで読む
その影に妖精が
僕のメルヘンを呼び起こす
色と形の花々が香る
散歩する人の残像で
少しずつ生きる小さな人々
何も心配は要らないな
信じることが証拠になった
祈りは学んで実りある
みんなのことを考えるときに
大切な人が手のひらにいる
古い木枠の入り口くぐって
革張りの紅いソファの上で
珈琲と煙草とトーストと
漫画雑誌がけむりをたてる
大きくなって翼がしぼみ
歩くそばから魔法の粉が
小さな路地に積もっていく
そして奥まで染み込んで消える
いなくなってしまったみんなのことを
靴のかかとで噛み締めた
青空と雲のある場合
高さなんてもう関係ない
僕らもきっと手のひらのうえ
だからあんなに笑っているんだ
美しい人の手のひらのうえ
手相の道を散歩する