2018-03-30 ついてくる月 昨日の昼間の幼いふたり 昨日の夜中のみじかい世界 ぴったりとそよぎ ひっそりとはまり 暁に鳥 ああ、香る と 思ったら愛だ 森の中のクヌギの樹液 記憶が頬を焼きあげる 抱きしめて停まる 時。 光は永遠と 一瞬の比喩である 手と手は繋がる それぞれの宇宙を歪めて均す 遠ざかるふたり ついてくる月 消える火のように途切れた言葉を できなかった口づけが証明する