空想と科学

大人になって

空想を知った

そんな順番も

あっていいんだ

幼い頃はつらかった

もっと空想で遊んでたかった

焦りが自由を縛りつけ

思い出すばかりの日々だった

本当の空想は

ひとりじゃできない

それだけのことが

わからなかった

ひとりでうずくまってたら

手を広げて飛べるだなんて

思えばあまりに

非科学的すぎた

ひかがくてきとは

ひとりよがりなことだった

科学はみんなで作るものだから

ひかがくてきは

ひとりぼっちだ

固い言葉も柔らかくなる

魔法の呪文は

ここにはない

そこにも

あそこにも

どこにもない

ひとりでいるのが楽だから

みんなでいるのが

わからなかった

ひとりでいるのが楽だから

みんなでいるのに

空想も今だから

科学も今だから

揺れるのは

風があるから

ひとりじゃないから空想にふける

いつも持ってるペンとメモ帳は

だれも見てないときだけ使う