鏡の裏には
僕はいないのに
殴って壊して
僕を愛している
君の唇に
赤く輝いた
僕の何かを
弾けるほどに
夢を込めて
轟音あげて
よろめいた美しい
この詩の裏には
殺しの調べが
大人しく笑って
席についている
誤魔化しの勇気を
今日も言えないまま
死にそうな顔をして
助けを
求める
行き先告げずに
母親を残して
ここまで来てしまって
後悔しているんだ
弟も
妹も
どこにもいなくなって
僕らは一人きり
みんなの声を聞く
混ぜるように
生きる
自慢の愛車を
殴って壊して
運転席には
誰もいないのに
僕らを穢した
いつかの悪い奴さえ
どこまで歩いても
何も見えないのに
辺り見回しても
意味がわからない
それだけのことだと
みんなは笑う
みんなは笑うのに