一日の始まりは常に鈍い
時間は夜から朝にかけてだんだんと重くなっていく
室内灯が太陽を追い出して
結局のところ時計にのみ振りまわされている自分に気づく
じっと見つめていると文字の意味がわからなくなるっていうことがあるらしい
それと同様に僕は君の顔を飽きもせず眺めながら
何か別のものを観ているような感覚に陥ることがある
それは鏡かもしれないしもっと生臭い何かなのかもしれない
ただ一つわかることは僕らは決して朝が重くなる瞬間を共有できないということ
朝を待てるほど大人ではない
陽の光も時計の針も本当の時間をかき消して
ただ彩りを添え静寂を引き立てるだけ
みじん切りの玉葱のように身体も時間も粉々になっていく
今朝も鈍重は白っぽい頭の上に降りてきた
起き上がる前に生き抜くか否かを考えて
あきらめたように歯を磨きに行く