一方的な騒がしさに耳を塞いで
俺にも騒がしくさせてくれ
俺の声を掻き消さないでくれ
骨から伝わる声じゃ嫌なんだ
双方向的騒がしさの中
俺の存在を何もかも認め
てくれ てくれ てくれ てくれ てくれ
てくれ てくれ てくれ てくれ てくれ
一方的な騒がしさに耳を劈かれ
俺にも何かを叫ばせてくれよ
俺の声を掻き消さないでくれ
骨から伝わる声じゃ駄目なんだ
双方向的騒々しさを背に
俺の存在をスクリーンに投射させ
俺の存在に厳密な定義付けをし
てくれ てくれ てくれ てくれ てくれ ないか
てくれ てくれ てくれ てくれ てくれ ないか
もっともっと現実味を帯びた
もっともっと客観性のある
俺の確かさに重量を重量を重量を
持たせてくれ
テープレコーダーに吹き込んだ俺の声を
俺の生の声として聞かせてくれないか
テープレコーダーから流れてくる俺の声を
俺の生の声として
たとえテープレコーダーに魂を吸われても
一方的な騒がしさの中
骨を伝わる自分だけの自分の声だけを信じて
水と飯だけで生きていけというのかそれよりも俺は
テープレコーダーが喋り出す俺の声を聞きたい
喉仏を刳り抜いて機械を填め込みたいそれで
俺の声が本当に聞こえてきて
くれるなら
一方的な騒がしさの中
俺の声が骨の中で一方的に乱雑に煩雑に
共鳴する
一方的な騒がしさを打ち消してくれ
てくれ
てくれてくれ
てくれ
まいか
