トランス状態の馬たちがつい産卵

奈落のような海の底

溺れ死んでいく友達の姿を

僕はぼんやりただ眺めてる

宇宙に行ったと思うんだ

遠い遠い星空のもっと向こう

友達はスペースシャトルにのって

きっと笑顔でホラ手を振るさ

このショート・ストーリーにも

何かおまけをつけるだろう

舌をずっと噛み締めている

いつもいつまでもそのままで

底の見えない奈落の海を

宇宙に見立てて覗き込んでみる

舌をずっと噛み締めている

いつもいつまでもそのままで

果ての知れない星空の海を

信じられないで下向いている

舌をずっと噛み締めている

いつもいつまでもそのままで

何も見えない暗闇を

未知の涙の味を知るために

僕は初めて見上げてみる

ソルトなミュージックが聞こえてきそうだ

レコードが知られない時代の音楽

さざ波は僕を包む

その足元からゆっくりと

次第に身体は空に浮かんで

いつかは宇宙を見下ろせる

舌をずっと噛み締めている

いつもいつまでもそのままで

耳も見えない

目も聞こえない

僕は僕だけで考えている

僕は僕だけで生きている

そして

ずっと…