白だ。
白だ。白だ。白だ。
白だ。白なんだ。白だ。白に決まってる。
絶対に、白だ。白だ。
白だ。
白だ。
このミルクは、白だ。
今から注ぐのはコーヒーだ、黒だ。
混じり合い、少しずつ少しずつ染まっていくんだ。
染まっていく、染まっていく、染まっていく……。
染めてる、染めてる、染めてるんだぜ。
染められる、染められるんだよ。染めてやるよ。
染まった?
染まったんだな……。
いや。
白じゃない。
これは何だ?
こんなもの。
こんなもの、白じゃない。
白じゃない。
白じゃない。白じゃない。白じゃない。
美しくない。
……白じゃない。
白じゃない白じゃない白じゃない白じゃない白じゃない。
飛び散った、破片、ガラス……。
腕に刺さった。
流れている、流れているのは、赤い、血……。
赤か、赤……。赤なら、赤なら、赤、赤、赤、赤、か。
赤なら……。
何だこれは。
こんなものこんなものこんなもの。
白じゃない。
こんなものは白じゃない。
こんなもの、白であるべきものじゃない。
白であっていいのは、白であっていいのは、こんなものじゃない。
美しくない白は、壊れてしまえ。
壊れろ、壊れろ、壊れろ壊れろ。
壊れればいいのに、壊れればいいのに、壊れないんだ。
壊せばいいんだ、壊せば、壊せば、壊してやる。壊してやる壊してやる。
だって白なんだ、白じゃないくせに、こいつは白なんだ、こんなもの、白じゃない。
白と認めない、認めない、白は、白はこんなものじゃない、白は、白は、白は……。
白は違う。もっと、もっと綺麗で、美しい。
ああ、白、白、白、白。
そうだ、白だ。絶対に白だ。白でないはずがない。白に決まってるよ。
だって、だってあんなに、綺麗なんだもの。
白に決まってるよね。白だよね。白だよ。白だったんだよ、あの時も、あの時も、あの時も。
白だよ白だよ白だよ。
みせてくれ、みせてくれその白を。
白、白、白、白、その白、その白を、魅せてくれ魅せてくれ魅せてくれ。
見られるさ。見られる。だって、白だぜ、白なんだ、白なんだから。
白は、白は、白は、白は、白はみんなのもの。
白は、優しい。白は、白は……そうさ、白だ。白は、許してくれる。
白は許してくれるよ、白なら大丈夫だよ、白だもの、だって、白だもの……。
白が白が白が、待ってる。待ってるから、行かないと、白が、白が白が。
白だ。
あれは白だ。
白なんだ。
あれは白だよ。
白、白、もうすぐ、もうすぐ白が、白が、白が、白が、白が、白が、白が、白が……。
白が。
見られる。
白だから、大丈夫さ、大丈夫さ、大丈夫だよ、大丈夫なんだから、白なんだから。
白を、白を、白を、これから、これから、これから、これからだ、これから白を、白を……見るんだ。
白なんだから、白は、許してくれるんだから、白は、心配しなくてもいいんだ、白なんだから。
白、白、白、その後は、その後は、どうなるんだ、きっと、白だから、その後は……。
白、白は優しい。だから、だから優しく、優しく、優しくしてくれる。
あんな風に、あんな風に、あの時も、優しかった。あの時だって白だった。だから今も、白だ、そして、優しい。
白、白、白、白……。
白。
白。
白。
白。
白。
白?
白……。
白……じゃない。
白じゃない白じゃない白じゃない白じゃない白じゃないよ。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
あれは嘘だ、嘘に決まってる、でも、でも、でも、でも、あれは、あれはきっと白じゃない。って、いうんだ、な……。
これは、白……なのか?
白……じゃないんだ、よな。
白、白、白、白……。
白、白、駄目なんだ、白は駄目なんだよ。
違うんだね、白じゃないんだね、そうなんだね。
違うんだって、違うんだってね、そうなんだってね、白じゃない、白じゃない、白じゃない白じゃない白じゃない。
白、
白、
しろ、
しろ、
しろ、
あか。
あか。
あか、あか、あか、あか、あか。
あか……って、なんだ?
あか……赤?
赤。
赤、赤、赤、赤、赤、赤、赤……。
赤なら。
赤なら……赤なら……赤なら……。
赤なら、赤なら、赤なら、赤なら、赤なら、赤なら。
赤なら赤なら赤なら。
そうだあれは赤だ、きっと赤だ、赤に違いない、赤じゃないはずが無いよ。
でも、赤じゃない、赤じゃない?
赤だろ赤だろ赤だろあれは?
あれは赤なんだよね?
赤、赤、赤、赤に、赤に、染め、染め、染められる……?
染められるよ、そうだよ、染める、染める、染める、染める、染める、染める……。
染めてやる、染めてやる、染めてやる染めてやる、染めてやる。
染まった?
染まったよ。綺麗に染まった。
でも、まだ足りないかな。
もう少し、赤が欲しい。赤、赤、赤、赤、赤、赤なら……。
赤、赤、赤。……赤?これが?赤だって?
白じゃないか、これは白だよ、白って言うんだよ。
白い。白い。綺麗な白だ。美しいよ。
これを待ってた。これが見たかった。このために、居たんだ。
白い、白い、白い。
白いな、君は、とっても白いよ。
白っていいなあ白って。白だよ、今、君は白だ。白でしかない。白って、白って……いいもんだね。
さあ、
これからまた、もっと綺麗に染めてあげるよ。
頭の先から、爪の先まで……。
ね。
美しい、白い色に。
だって君は、
白が好きなんだろう?
知ってるよ。
だって、知ってる。うん、知ってるよ。知ってた、ずっと知ってた。
あの時からずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、
ずっと……。