ここんとこの生活

きつい。11/1は誕生日でありました。
徹夜明けになる予定の2日は早めに帰りたかったので、明日のぶんまで仕事するぞーと張り切っていたら、午後4時前に「木曜喫茶の営業は今日で最後にしてください」という通達がきた。それであらゆるやる気を失ってしまった僕は、いろいろ考えながら過ごして、仕事ができなかった。
6時半ごろに店に行ったら、すでに2人のお客さんが扉の前で待っていた。長野県からいらっしゃっしゃる常連の方(ありがたいことに、そういう方がいるのですよ)と、教え子の高校二年生の男の子だった。
お店に入って話していると、ぽつぽつお客さんが来たり、帰っていったりした。「最終日である」ということは、まだ僕の中で決定していなかった。(そのときはまだ、ほんのわずかながら「通達」に抵抗するつもりがあったし、もし「条件付きで続けてもいい」というようなことを言われたら、続けるつもりだった。)だから、何人かのお客さんに「最後かもしれないんですよー」と、言うにとどめた。
誕生日だったから、みんなに祝ってもらえて、本当にうれしかった。ある意味、僕だけにとったら、これが有終の美だったのかもしれない。誕生日だっていうことで、いろんな人が来てくれたし。特に、7年以上前からこの店で会っている人も何人かいて、とてもよかった。よかったけど、やっぱり終わりっていうのは寂しいものです。もちろん。

ドラえもんのケーキを作って(て、てづくり!)きてくださったH子さん、ありがとう。
すてきなお祝いをみなさん本当にありがとう。
この夜のことは忘れないでしょう。たとえ忘れても、僕の中に何かの形で生き続けるでしょう。ともにすごせてよかったです。大好きな人ばっかりが来てくれて、それでいて初めての方もいて、幸せでした。

朝になって、仕事に行きました。夕方くらいまでぜんぜん頭が働かなくって難儀した。しかも、19時ごろから23時ごろまでいったん家に帰って大切な用事を済ませたので、仕事が終わって家に着いたのは朝の5時だった。それで寝た。

気がついたら10時46分だった。勤めていた学校の文化祭で、11時45分から、仲のよい子のダンス公演があるので、死ぬ気で13キロ、自転車を漕いでなんとか間に合った(すごい)。
毎回楽しみにしている中学演劇部の公演も見た。本当にすばらしかった。いつも思うけど、この子たちの公演後の涙は美しい。泣くっていっても卒業公演の時くらいだけど、今回はいろいろ事情があったみたいで、泣いている子がいた。僕はこの部を好きでいて誇りに思う。

もっとも心が休まるのは、高校のイラスト研究会とか美術部のあたり。写真部、理科研究部、社会科研究部、コンピュータ部(このへん、正式名称じゃないかもしれないけど)とかも密集している地域。「そういうやつら」しか来ないので、とても楽しい。

たくさんの教え子(教えてないのもいるけど)や、その親御さんなんかに声をかけられて、まことに幸せです。まあそれも、今年くらいまでかなあ。来年はぎりぎりいくかなあ。みんな卒業しちゃうんだよな。その後になっても、附属の大学のほうにいけばいいんだけど。

学校っていうのも「場」であって、そこにはすっげー強い引力があって、みんなは集まってくる。だけど、すっげー強い引力は、すっげー強い反引力(?)に変わるから、「卒業」っていうことと同時に、まったく散っちゃうんだよね。ふつう。さみしいな。もう会えない子もいるんだろう。いつか再会するために、今のうちに少しでも会っておかなければならないから、毎年なんとか文化祭は行く。

夕方、祭りの終わりの匂いが香ってきたころに帰った。
みんな、まだまだ仲良くしてください。
全員と、いつかの再会を願っています。

イベントだらけなんです、ここんとこ。誕生日だし、むめいは最終回だし、僕の人生に大きな転機をもたらした学校の文化祭で、みんなと会ったし。そして11月4日には、福岡で植芝理一先生のサイン会。
うえしば先生は、ご存命の漫画家さんの中で、いや、こんなこと言ってもしょうがない。僕はうえしば先生が好きです。
初めてのサイン会だから、ひこうき乗って、初めて福岡へ行きます。

家に帰ったのが5時くらいで、ちょっと買い物に行って、帰って寝た。3時間だけ寝て、夜の9時にちゃんとおきた。よかった。準備して電車乗って、終電で成田駅まで行った。らーめん食べて歩き出した。
本当は、駅から3キロのネットカフェにいって少し休んで、そっからまた8キロ歩こうかと思ってたんだけど、成田山に続く道に見とれていたら道に迷って(というか、そのまま本当に成田山のほうまで行ってしまって)、予定が完全に狂った。駅からまっすぐ行くと8キロちょいくらいなので、大幅に時間が余ってしまう。そこで、駅から3キロくらい歩いたところのミニストップに行って、休憩することにした。
ほっとコーヒーとレターセットを買って、植芝先生へのファンレターを書く。
2時間かかっても書き終わらず、便箋は9枚に及んだ。
それでも植芝先生に対する想いは、1000分の1も伝えられない。
ファンレターなんてほとんど書いたことないから難しかったけど、少しでも。

ミニストップのおじさんがいい人で、そこから空港までどのくらいで、何時くらいに出たらいいか、ということを教えてくれた。世間話のようなこともした。このミニストップには、また来たいと思う。

4時前からふたたび歩き始めて、ちょっと迷いそうになったところもあったけど、研ぎ澄ませて、歩いた。月明かりしかないような暗い道で、星がよく見えた。

5時すぎに空港に着いて、荷物検査を受け、待合ロビーへ。
ファンレターの続きを書いてから、笙野頼子の『成田参拝』を読む。成田で読むと、またすごい。
飛行機に乗って、窓の外を凝視していたら、『成田参拝』に出てきた神社らしきのが見えた。一瞬だけ。こっち側の席でよかったと思った。ただ、本の写真では神明鳥居だったのに、明神鳥居があった、ような気がした。一瞬だったからよくわからないけど。違う神社なのかな。あとで航空写真みて確認しよう。

2時間弱のフライト、まったく眠れなかった。
天神で長崎行きのバスを予約して、それから、ネットカフェに来た。今。
九州で僕は何人の人と会えるだろう。