質と量

痛快に響き

線路の音が

青に緑に

海を走る

素晴らしい人生や

美しい生活は

砂を噛むような味気なさと

無関係なのだろうかな

人口的な電車の音

話し声とアナウンスに

壁の匂いを

思い出すけど

車の中や

檻の中は

何も見えず

思い巡らす

素晴らしい人生や

美しい生活は

ガラスや鉄やアスファルト

無関係なのだろうかな

思い切りダイブして

頬を切り草を握りしめ

笑うなり泣くなりやりながら

粉々になった土のこと

思い出してみようかな

フローリングに散った靴の土

蹴り出されるための公園の土

気がつけば固くなる車窓から

その匂いが確かに舞い込んだ

素晴らしい人生や

美しい生活は

舞うものの質と量などと

無関係なのだろうかな

夕暮れや夜や早朝を

待たずには言えないだろうかな