ほこりがたつ

たとうとすると駆け巡る色々の問題

そしてまたうずくまる

腹が立つのは歌うことを正当化する歌詞のこと

かっこつけてる言い訳を

哲学とやらに求めても

どっちもどっちで

くらくらするよ

必死に声を出しても捕まらない

虫取りがうまくいった試しがない

友達は素手でぽいぽい蝉を捕まえた

僕はいつまでも網を持っていた

優しい弁当屋のおじさんおばさん

僕は勇気を持たなければと思って石神井公園へ歩いた

もちろん網などない

素手でする準備はできていた

しかし季節が早すぎて

蝉はひとつもいなかった

だからといって歌うこともなく

描くこともなく

ただ歩くだけ歩いて疲れて休んで

さんぽうじ池を眺めて帰る

道のパン屋でジュースを飲んで

土の道えらび歩き続けた

色々の問題を抱え

見えない血を吐き

ない酒を飲んで

潰れたように延々と眠る

明日はいつ来るか

知らぬうち

頼ってばかりもいられない

歩き出すにも道がない

歩いたところが道になるなら

何度も何度も振り返りたくなる

前だけを向いて歩くなら

そこに誰かがいてほしいけど

それが神なら目を閉じて

それが君なら

誰が君だか知らないけれど

僕の君ならそれでいい

それで

たち上がりほこりをはらう