君の詩を読んで

新しい時代だそうだが

何も変わってないような

それでいて僕は

違和感を持っている

凛々しい君の詩は

荒れ果てた大地に輝いた

リンゴの歌のように

このごみごみと整然とした

区画を上手に切り分けて

彼らに説明して見せた

良くも悪くも言葉の力は

イメージを増幅させ

どんな誰かの心をも

夢うつつにする

君の舌からこぼれた味蕾が

果てなくすぐれた意味のつぼみが

人の心をたねとして

新しい言葉を育てるのだとしたら

それでいいのだが

新しい時代だそうだが

何も変わってないような

そんなふうにぐらついている世界を

金槌と釘とでもって

破壊的に打ち抜いて固定させている

両手で耳から腕を突っ込んで

脳みその端から夢を引っ張って

頭上に広げて戻らなくなって

それから そのまま

少し上ばかり見つめるような

ゲームハードの上に立ち

ポーズを取っているだけの

良くも悪くも君の詩は

諦めやすい時代に合っている