誰にも言えない
森の中
カーラジオから
スローバラード
幸福ってなんだろうとか
幸福が果たして
すべてなのかと
考える
ひとりになると人間は
どんな罪深いことでも思いつく
本当にひとりだと
どんな罪深いことでもしてしまう
僕はあんなに罪深い欲望を
ひとりきり車の中で
はき出したような
はき出せていないような
雪も溶けるような
火照った身体で
何もかも美しいものを
この手にしたいのだ
それが絶対に幸福であれば
幸福とはなんだろう
罪深き僕は
愛する人を想う
覚えているのは
とても辛いけど
忘れてしまえば
ひとりになるだけ