いぬきが逃がしつる雀の子

頭の先から足の先まで

よだれの詰まったカップの中で

転がしてあげる

君のニュアンスがそのままほしい

おそらくすべすべ

まんじゅうのようなどこかがあって

ずぶりと潜らせて

教えこみたい

何も知らんそのがらがらの脳に

きちがいじみた妄想を植えつけて

人生にしか役に立たない

ありったけの叡智で飼い殺す

まっすぐ漫画を読みながら

静かに躾を貼り付けて

俺の背中を一粒ずつ喰う

紫の上は処女のまま