愛の再生産過程

あなたを見つめてよだれを垂らす

金魚みたいに口をぱくぱくと

いつのまにやら僕の口腔は

あなたの姿でいっぱいになった

だから噛み砕いて

僕の粘膜があなたに触れる面積をできる限り増やして

舌と上あごで押し潰して

あなたの肉汁を可能なだけ味わう

唾液と絡み合うあなたの欠片

咽喉に滑り込む

食堂を通る

胃に入る

腸を流れて

肛門から出る

そしてまた食べる

あなたを食べる

愛の再生産

捨てるとこはない