抜本的トラウマとの雪月

喉元にプリンタ

刃のように

鋭利な普通紙をセット

いかずちのように

印刷ボタンを押したらホラ

お父さんのあごひげが

綺麗に剃れた

小学生の頃を思い出すと

必ずそこには父親がいて

僕の頭部を愛撫して

ほっぺたをひげで切り裂いた

それこそが復讐

とこしえの恨み

血がだらだら流れてて

お姉ちゃんは赤飯を炊かれて

僕のほっぺたには

見向きもしないで

お父さんはただ

いつも少しだけ

剃り残しをして

僕を切り裂くんだ

僕のほっぺたに

血の道をつくる

だから剃ってやる

小学生の頃から変わらない

お父さんのひげを

鋭利な刃の普通紙と

無機質なプリンタ