このところ週に2回くらい動悸と涙が止まらなくなる。
それ以外は死なないために浮かれている。
今頃は天に召されているのだろうか。
もう、急にやってくる。
わたしのものにはならないのだ。
数ヶ月か数年かのその永遠にわたしは狭間で苦しむだけなのだ。
鳥籠の中でうたいながら朽ちていくのだ。
浮かれながら。でも飛べないで。
誰も悪くないのはわかっているし、すべてが誰かの我儘でしかない。
わたしたちはカラフルな世界の中でたまたま色を背負うのである。ルーレットのようにそれは時折きめられる。
わたしはいま何色だろうか。灰色かうすい水色だ。まるでかわいた泥のようだ。
あなたは?
それがわかれば苦労はしない。
今頃は天に召されているのだ。
わたしは砂漠の真ん中でただ一人孤独に、目に見えない行列のずいぶん後ろの方に立たされている。
なにもわからない。それで週に2回くらいは、動悸が、涙が、止まらなくなる。
ゆっくり歩いて行くんだろうか。
このまま立ち尽くすのだろうか。
UFOが来て連れ去ってくれるか。
なにもわからないでただ、血をうねらして泣いている。とても静かに。誰もいない部屋で。すべての人類の幸せを祈って。わたしはそこに入れるのだろうか。いまだ半信半疑のままだ。
ああ、そうだ、すべての人類よ。
あなたがたはみなわたしの愛するあの人なのだ。同一のものだ。だから祝福を受けてくれ。そうでなければ、わたしはあまりにさみしいのだ。
助けてください。
この瞬間に星は砕け大陸は沈み海の水は裂けた大地にすべて呑み込まれます。
はじめは何気なくつけたろうそくの火なのです。あなたはあまりにもそれに上手に火をともした。いまでは焼き尽くす火焔となってわたしを足からあぶっています。こんな地球ではなかった。こんな土ではなかったのに。わたしは裸足で駆け回りたいのだ。
別に責めるつもりもないのです。それが宇宙というものですから。ただわたしは時折にだけ、週に2回くらいだけ、動悸と涙がとまらなくなるのです。あまりにもわたしは緑を愛しすぎました。そしてわたしたちは幸福すぎるのです。
静けさが怖い。音楽が止まってしまった。しかしうたえば死が近づく。
金縛りのようにわたしは祈り続けている。
こんなにつらいことはないのだ。
波にさらわれていく。
雨雲がやってくる。
遠くには幾つかの救急サイレンが輪唱のようにさわいでいる。
この夜は二度とない。だから恐ろしいのだ。明日にはもう、今宵は死す。
新しくもない毎日が積み重なっていく。
普通の日々が連なっていく。
わたしは永遠にこの行列の真ん中に立っているのだろうか。目に見えない行列の。そして泣き続ける。とても静かに。浮かれながら。うたいながら。やがて心臓は血によって破裂するだろう。