友達はつづく

友達はつづく
どこにでもある
ここにしかいない
まるで水のように

明日から
新しい気持ちで生きるだろう
真実は消えず
まるで魚のように

悲しみはやってくる
裏切りは胸をさす
誰だって嘘をつく
信じたことが悔しくて

仮面をかぶった人たちに
目を背けてきた

じっとして
暗闇の中
やがて思い出す
覚えていること

溶けてしまった想い出が
ざわめきのように
安定した波のように
問いかけてくる

わたしはだれだ?と

友達はつづく
どこにでもある
ここにしかいない
まるで水のように

川のせせらぎは優しい
崖を打つ潮は
降り注ぐ雨は
雪は
涙や汗や
あのときの水は

凍えて止まった時の中
氷づけでつづく
血は熱を忘れていない
ほんとうにそうか

轟音が響いて
橋は震える
君に会いに行く
誰か迎えに来てくれる

陽射しを閉じ込める闇よ
それはきっと宝箱のように
仕舞い込まれて
秘密の水晶として飾られるだろう

ボウリングの球のように硬く
闇はチョコレートの甘さで
照りつけるものを封じ込めるのだ
そして熟成されていき
二度と目覚めることはない

友達はつづく
どこにでもある
ここにしかいない
まるで水のように

手のひらに乗るのか
心の中に棲んでいるのか
捜しに行くのか
知らないが確かに

友達はつづく
水は流れる
水はかたまる
水はこの世の中を循環しながら
ときに静かに息をひそめて
地下に
海に
空に
からだの中に

どこにでもある
ここにしかいない
奇蹟を信じた
あの瞬間に
友達はつづく
裏切りをくぐり抜け
忘却を渡り
再会を信じて
虹の弧のように永遠を描く

奇蹟のような
その瞬間を
駆け抜けるように
友達はつづく