平城宮跡のように

ゆっくりと神社

照り映え

真夜中に薄曇りの空が見える

青空がそのまま

時間を止めたような

至近距離

虫の息

キリキリと小さく

ひとり静かに

点々と

飛行機とか電車とか

あの開けた平城の空から

バケツやスコップ

転がっているよ

野菜はない

石ころがあるだけ

缶詰の音が響き渡ると

なんだかどなたかいるような気がする

一晩中なぜ

ここには明かりがついてるの

一晩中なぜ

あなたは誰かを待ってるの

わたしはあなたを

必要としていない

だけどあなたはここにいる

それだけのことで

家族がいつでもあの家にいたような

ものだろう