平衡感覚

鬱めいてくる

何も変わっちゃいない

重たいのはコーヒー不足か

くるくる回っているだけだ

 

一度だけの人生いかに過ごす

ストレートに潔く

複雑怪奇にどろどろに

何も決めちゃいない

判断能力に疑いがある

 

すべて平坦に

すべて平坦に

 

右も左もわかっちゃない

略地図を見て

白いほうが陸なのか

海なのか

たいてい反対で

頭がクラっとしてしまう

美の終わり

顔と身体は100パーセント

内心内面半信半疑

うつろえどその魂は

今日ですべてを終わらせる

 

ふう明かされぬ我が身の錆は

いま鍵の

 

ここに散文を書くのはずいぶん久しぶりのこと

今年は散々だったんで令和6年はリセットミーしてスタートしたい

昨晩酒を飲みすぎてずっとぼんやりしてたんだが石井くん(教えてないご)のコンサートきたらけっこうな良いレストランだったのでハイネケンの生ビール頼んだ、さすがいい店はうまい。グラスで946円するだけある…。

今年はやや無頼であった、そして何より美であった

それを年末で終わりにする たぶん

僕の命もそう長くはない(急にすごいこと言い出した)

美の寿命はさらに短い しかし滅んではまた生まれる

僕は滅んだらもう生まれない 当然

美の行く末を見守って、また新たな美を座して待つ

待つ時は座す 歩いている時、僕は何も待ってなどいない

待っているのはその先のもの

座して待つ何か

 

たとえばインスタにたくさん自分の写真を載せた一年でもあった 去年もしてたし来年もそれなりにはするだろう

醜くなろうと思っているわけではない ただもう今の美はこれで終わり

「かわいいぼく」とまた戯れに書くだろう それはさして美とは関係がない

たぶんもう目つきが変わる 別の美になる

さようなら今の美よ

令和5年にすべて置いていく

改めて思う、わたしの飽くなき変化への欲

そしてさらに想う、僕の無限の童心を

絶えることなき無邪気さを

ここにとどまる空が如くに

雲が吹き抜けてゆくだけ

その二重性がまさに永遠

滅びゆく美よ また明日

くるくるまわる地球のように

霊園の花屋で

大いなる墓群のはし

ひらけた空をきりとった

戸のない四角な景色を望む

背もたれに沈み珈琲を飲む

 

屋根と壁の横長なスクリーン

鳥の声がするたまに来る

誘い合って猫も鳴く

雨上がり

 

以前このあたりで

カエルの大発生にでくわして

寺の横の細い道を埋め尽くし

つま先立ちで飛ぶように渡った

 

霊園のお花を売りながら

僕らにもお茶を出すこの古い古いお店では

たまにふしぎな物語をきく

池に大量発生したおたまじゃくしを見かねて捨てた住職が

すぐ死んだ

僕がカエルの大群を見たのは一度きり

あるいはあれらも霊だったのか

だれかに取り憑いて

殺すための集会だったのか

その喜びの歌か

 

おばあさんはとても死に詳しく

死に豊かで

本当に生きているのかわからないことがある

落ちる事

なぜかわいいことと

猟奇的であることはこんなにも

仲が良いのだろう

血とメルヘンの双方を子は愛す

 

いけないよ本当に

そこから産まれた呪いを背負い

椿のように真っ逆様に堕ちたいのだろう

本当は花びらのように舞いたいのだろう

 

いずれにしても

君は天を見てまた地を見るのだな

何もないこの世界を信じられなくて

目を閉じる時は死ぬ時であると

 

少し酸っぱくて

甘く渋い葡萄

恥と要

自分という好きの白釉

万札飛んでく醜い男

愚かしさ毒を慕え

花も枯れ

 

振り付けがいて

好きなようには踊れない

泣きながらなめらかに

動きながら固まっている

 

吸い尽くされて

少なくなってゆく

心許ない心のもとに

神秘と邪悪が忍び寄る

 

新しるのはいいけれど

切り取るごとに光るだけ

狭くて薄くて低くてが

気づいてることに気づいていない

 

汲み取れることを知らず

さめざめと減る

待つだけだ

期待するから悪いのだ

 

君のこと好きな人

みんな頭がおかしくて

顔がぎゅうっと苦しくて

見ているだけで死にたくなるね

 

地底から伸びる茎と葉が

山の上に出るその時に

僕だけを太陽が刺す

シーンごとに分け現像してくれ

 

明白なこと

愛があるから

酩酊のなかで香りがわかる

優れた顔は秒前に咲く

ただの文句

自殺を要請する

お前に生きてる意味などない

働けば働くほど

野球見て叫び

居酒屋行って叫び

電車乗って叫ぶ

 

なんてこと言ってたら

電車反対向きに乗ってた

慣れないことはしないこった

 

気を取り直して

 

肌色のマーチ

共感覚は誰にでもある

記憶が誰にもあるように

何を見ても何かを思い出す

 

気を取り直して

 

自殺を要請する

お前に生きてる価値はない

奈落の底のタイルの色は

裸足の跡がこびりつき

もぐらとみみずが俯瞰する

歯車のように顔を出す

叶わない恋をした

君がゆえ

君がため

おお歌え

エル・サルバドール

仮の世に

 

はためかす瞼

良い嘘を僕に

君の身体と

シナトラの歌

 

心踊り

二人の気持ち

長いお別れ

波打つようなカウンターで

 

四角のケースに丸いものが入ってる

いつもそうだね

大事なものをカドが守る

転がっていかないように

 

行かないで

このまま寝ていて

また素晴らしく感じ合いたい

 

コーヒーの香り

酒の匂い

したたる鍾乳石

ミルクの味わい

舐めてきたあの舌触り

 

煙草がすべて邪魔をする

記憶を覆い尽くす

ああ形のないものよ

呪いのように自在

 

閉じ込められた

耳を塞げ

目を捨てろ

スイートな銀の気体が

侵入してくる

社会不適合

もうわたくしが誰かなど関係ない

鼻がききすぎて犬なのです

足の裏で踏んでたまえ

雀と蝉の合奏を聴け

 

浅暗い夏

早朝と夕暮れが折り畳まれて

わたしはいま待っているんだか

見届けているんだか

 

長く長くもう遠くから

たなびいてくる排気ガス

尻尾のこげた臭いからし

畜生どもの選別が始まる

 

通り過ぎる従順さ

足を止める鋭敏さ

固まったビルを溶かす闇

合図だろう鳩の羽ばたき

 

トンボとコウモリがタッチして

大きな柳を包帯で巻く

蛙と鯉の合奏に舞う

人が消えたら川に入ろう

 

このまま誰からも求められずに

愛されないで死んでゆくのだ

電線にカラスでも止まっていてもらえたら

浮浪者の一人でも通りかかってもらえたら

 

ジョギングする猫を見たことがあるか

滑稽なものだ

没入できないわたくしはやはり

このままひずみに消えるしかない

こどもの船

ぼくね今もう子どもなの

だからやめてね

おねだりしないで

また逢いたいなら

求めないでね

どれだけ僕が天使でも

どれだけ僕が無敵そうでも

 

大人だったのはむかしの話

もう勘違いしないでね

またああやって遊びたいなら

子どもになってまたきてね

本当のほうが気持ちいいから

どれだけ僕が美しくても

どれだけ僕が理性的でも

 

二度と降りれない

船に乗ったの

手を振っただけ

それでおしまい

 

むかえにきてね

裸のうちに

次にあなたが着飾るときは

二度と乗れない船が出ている

夏のしじまに

嘘のように人のいない真夜中

雨上がりに病み上がり

まだ病人の匂いがする

鼻がいかれて

 

犬が駆け寄ってきた

死にかけた人間は野蛮な味がする

猫のように無表情

みんなでストンと底に座った

 

蝉は黙る

涼しさと水気に

木々は萌える

今夜だけ空広く

 

雲間に光る星が風に流されて消えてゆく

木星土星を往復し

無責任に観測点をずらし続ける

 

この夜は誰のものだ

近鉄の帽子かぶった自転車のじじい

お前にやるよ

神様はそんなところ

あとはこっちでやればいい

 

力なく振り出す足の先が気まぐれに石を飛び

浅瀬に入り

新たなる音を付け加えてゆく

完璧だった人生を狂わせる重篤な病

明日のすべては今日次第

今日のすべては夜次第

質の高い音光について

花火より月

星の前の月

他人と花と友達と

 

ああ矢田川の花火大会

完璧を目指して挫折した

 

伝統と信頼の隅田川花火大会

完璧を背負って今年も輝く

反吐が出る、すぐ帰った

 

よくできたバンドマンの長文

質の高い青春

磨きに磨いた青臭さ

クォリティがくだらなさを正当化する

 

花火見る人々の背を月が照らす

花火背に歩く僕の目に月が映る

やめてくれ、恥ずかしい

こんなふうにまた会いたくなんてなかったよ

 

政治。

戦争?

俺たち!

花火

 

やめてくれ、反吐が出る

くだらない感想を美で固めるな

人が死んでも別にいいだろ

お散歩遠く

お散歩遠くへあてもなく

なかよしお月様

指先すべてが美しい

目に見えぬものたちも


あっちかな

こっちかなって

どうにかなってしまいそうです


お散歩遠くに手を振って

だれか笑ったら

耳を澄ましていいんだね

ひとりでもいいんだね

 

聞いたかな ゆったかな

豊かな悲しさの日々


お散歩遠くのガンダーラ

みんなばらばら

いろいろあるから目を閉じて

今日 愛する人たちと


さらば 友よ


散ったから あったから

宝のありかにも似た


あっちかな

こっちかなって

どうにかなってしまった


あっちかな

こっちかなって

どうにかなってしまったから