散歩

小さくて素敵な家だ

細く黒ずみ

二階の窓に真っ白なレースの

飾りがどうにか掛けてある

ここを覚えた

全てが僕のものになる


賑やかに透けた解放書店

毛布をかけた桜橋

陽の当たる身体

底に沈んで土を踏む


老人老人

行く先に常に

少年、少年

一輪車の少女がUターンをして

すれ違った


あの階段をくだると

たばこ屋があって

窓口にビールが売っている

今日こそ飲もうか

さあ

見下ろす

 

全てが僕のものになる

 

見上げるものも

触れる空気も

別の世界のあらゆるものも

 

覚えて忘れ

忘れて覚える

思い出す

日が暮れて肌寒い

巡るものたち

自分自身が法則となる

法則のない法則となる