境界線

夢を見すぎると

遠く離れた場所からも

おもいだしてしまう

 

あのとき買った飴玉は本当だったか

あの知識は真実か

彼女は実在するのだろうかと

 

散り散りになった記憶が

どうだか知らんが

巻き上がっていく

 

現実と

見分けがつかない

別れてしまった人たち

 

浮かぶうたかたは

ひとしく消えて

時に結ばれ

弾けて空に溶けていく

 

その空気を吸う

一度は減って

ため息となってまた増える

 

この身体だけ

血が巡っている

 

いなくなった人も

そこにいる人も

どちらなのだろう

どうでもいいが

どちらなのだろう

 

目を閉じてまだ起きている

と確信できる今

この時に

 

息を止めて

境界線をたしかめて

夢とうつつを行き来する

 

誰が好きかを考えてみる