ほんの少し

パソコンつけて

ほんの少しだけ

あの日のような

指先

誰にも伝えない

こころのなかに

空をえがいた

星をえがいた

そして川原に

いる気になって

そびえ立つ団地の

明かりを見上げた

気になって

一度もまちがえない

人生なんてない

何度もまちがえた

人生だってない

常に一度のあやまちを

最新のものを背負い込む

その生命

指先

そう思ってた

パソコンをつけて

目をつぶりながら

熱い熱

かんかん照りや

夜の涼しさ

真夜中に帰ったら

お父さんがまだ起きていて

漫才を見てて

一緒に笑った

間違いなんて何もなかった

たったひとつを除いては

いつもひとつの重荷だけ

引きずりながら歩いているだけ

ほんの少し

目をつぶって

思い出せば

行ける

覚えているならどこへでも

こころのなかに

空をえがいた

星をえがいた

ほんの少し

目をつぶって