星の恋

あなたが好きだよ

星が降るくらい

今日もあしたも人生は

ぐるぐる迷う道知らずだね

行方をくらました月影を探し

散歩ともいえぬ散歩を続けて

いつの間にか立ち止まり

座って

空を眺めることもなくなったんだね

あなたが好きだよ

星が降るくらい

それでも恐ろしいことは起きる

膝を抱えて昔のように

わなわな震えて過ごす夜もある

そして空っぽになった頭に気づく

そんなことがあったんだろうね

ゆっくりと時間は進む

これからどんどんゆっくりになる

それと反対に年齢は加速する

長い年月が一瞬のうちに

ゆっくりと過ぎる

そこに何があるのか

空っぽな頭で夢想して

怯えながら目の前の日々をこなす

それが延々と続いていくのさ

星は降り続く

僕が祈るたび

鮮やかに頬を照らすだろう

もうあなたにはエピソードしか残されていない

特別なまばたきのような

土を踏む一歩のような

それがときおり

祭りのようにある

それだけになってしまったんだ

エンドロールのない人生にもう

足を踏み入れたんだよ

あなたが好きだ

どうしようもなく

明かりのない道を

ぐねぐねと歩きながら僕は

いつまでもいつまでも

降る星のような想いを重ね続けている