エネルギーの落ちる

僕は全て

エネルギーの全て

雪に溶ける熱のように

日に落ちる影のように

激しく悲しみ

泣き叫びながら

静かに川の

流れを見つめる

爆発的な冷たい熱です

愛する人の歩く姿を

見ることもなく死ぬのです

しかばねを操る

嘘つきの奇術師のように

僕は愛するあなたの姿を

常に遊ばしておくのです

星が降るような風景よりも

なぜか突き刺さるまばらの夜を

大切に見上げては

いつも何かを捧げています

僕は人影

移り行くもの

混じり合わず重なるもの

重なっても薄まらぬもの

濃くなっても一枚の

鉄扉の陰にはならぬもの

どれだけ他人が寄せ集まっても

夜の闇にはならぬもの

昼の光に目を閉じて見たら

薄い瞼が焼けました

そして貯めてきた幾つかの

エネルギーを

静かに静かにどこかへ遣ります

そのために愛することは嫌だ

ただ口を開き

あるいは閉じて

まばたきの中で

全身の呼吸で

静かに静かに

何かと一つになるだけです

熱情の中に僕はいない

そこにあるのはしかばねです