死の肺が

死のような涙が胸の中を流れる

かさついた塊がそのへんで湿る

鼻の奥のようにくすぐったい

いたって不快に

汚れたつもりはそれほどない

ただなんとなく運命だ

都会のせいなら仕方がない

どこまで行ってもついてくる

水鳥のようにと

言葉だけは綺麗でも

その実は知らない

北に行っても南に行っても

理想も現実も様々だろうし

変化も幸福もあるだろう

現在だけはそこにはなくて

永遠に未来だろう

あるいは過去だろう

もうどうしようもない

傷は消えない

澄んだ水も高い空も透き通ったすべてが

未来にしかないものなのだ

咳き込み続ける

咳き込み続ける

灰色の砂だけが

透き通っていて見えない