スウィングの血

ゆりかごのように

許されるならどこまでも

大きな振り幅で揺れていたい

メトロノームやピストンのように生きたくはない

まるで歩くように

旅をするように

スウィングしたいのだ

地球に前も後ろもないように

自転にスタートもゴールもないように

よく見れば回転に区切りはない

それは本当は文章というものが一筋の長い言葉のつながりであるのを紙の都合で

折り曲げたものであることと同じ

音楽も回転であって

本来は文章と同じことであって

スウィングとは本当は光のように一直線に揺れていくものであるのをからだや空間の都合で

折り曲げているということなのだ

だから僕は銀河鉄道のように旅に出たい

スウィングの旅に

お父さんが寄り道して買って来たジャズのレコードをうれしそうにかけると

いい位置に座って目を閉じて

微動だにしないで

あれはスウィングしていたわけだ