慣れと忘れ

うるさい音楽で繋がれた

間のない人らの冷たい会議に

追い出され

禁止され

知恵を寄せ合って生き抜いてきたが

慣れと忘れが僕らを捨てる

爆音の人

狂ったように踊る

信頼の汗に輝いて

バーベキューでもする

いい場所で星を見上げる

無駄だらけの言葉を吐いて

幸せとその次の幸せに酔っている

僕らは怯えて丸まって

慣れと忘れを待ちわびている

洋服を千切り

また買ってきて

子供を作っては

また堕胎して

再び興ずる

死んで再生し

生まれては殺していく

そして爆発のようなうるさい音楽に

鼓動を感じて

両親の顔も煙で見えない

朽ち果てた

それが入り口と信じて疑わない

慣れと忘れに両手を差しのべて

この子にどうか光あれ

世界の幸福をすべてこの子にと