紅の頬へ

精神異常

ゆらり夕闇

呼ぶ声の質感

洞窟に砂混じる

朦朧としながらも

たたえ合う

しなやかな声が

語りかけてくる

愛されて育ち

慈しみを知った

泣き顔の彼女の

白い亡霊

ゆるされて

もう一度と願うなら

そろそろ生きましょう

肉体は破損した

たましいが喜びをうたう

恋愛依存

しかし冷静

くちびるから

肉の味はまるで

線路のように続いていく

散歩のようにぶらぶらと

その道を這う

優しさが往く