夜の爪

濃い

お茶を淹れてね

闇だったりしようよ

あした君が来んなら

爪を切らないと

息が詰まるじゃん

夢くらい見ないとさ

死にたい気分なんて誰にだってある

君はまだ

気づいてないだけ

お茶を飲んだら

口うつしで飲んだら

冷たいねって言おう

闇の中を小川がせせらぐなら

こんな感じだ

雪を待つなら

感じないとね

骨まで沁みなきゃね

そういう準備をしないとね

虫歯に

冷たい水が

しみるみたいに

濃い

お茶を淹れてね

闇だったりしようね

あした君が来るんなら

きれいに爪を切らないと